大統領選後の株価予測で必ず押さえるべき真実

この「ドル安円高局面」はいつまでも続かない?

7~9月期の実質GDPの前年同期比では、アメリカが2.9%、ユーロ圏も4.3%それぞれ下回っているため「コロナ禍前の前年の水準を回復していない」とケチをつける向きも多い。

しかし、7~9月期の1期だけで、コロナ禍前の水準を回復すると思っていたのであれば、そのほうが驚きだ。まだ元の経済活動に戻るには、時間がかかるだろう、と考えていた人が圧倒的多数であったろうから、前年同期比のマイナスは、ネガティブサプライズでは全くない。

日本については、同様に4~6月の実質経済成長率がマイナス28.1%であった。7~9月分は11月16日の発表を待たないといけないが、エコノミストの予想平均値(日本経済研究センターによるESPフォーキャスト調査10月分)では、プラス14.2%が見込まれている(前年比はマイナス7.1%)。

また企業収益については、調査会社ファクトセットの集計値でみると、アメリカのS&P500指数採用銘柄ベースでは、4~6月期のEPS(1株当たり利益)は、前年比31.3%の減益であった。一方、7~9月期はわずか7.5%の減益にとどまりマイナス幅が大きく縮小している。

日本では東証1部全銘柄でみると、4~6月期は39.5%もの減益だった。7~9月期については、まだ実績を公表していない企業もあるが、そうした企業についてはアナリスト予想の平均値で穴埋めし、決算発表を終えた企業の実績値と混ぜて集計すると、19.7%減益で着地しそうだ。

さらに大きな不透明要因が2つも消えた

こうした経済や企業収益の改善に加え、2つの大きな不透明要因が薄らいだことも、中長期的な株価上昇基調が見込まれる背景要因として挙げられる。

1つ目の不透明要因は、前述の7~9月期の企業収益発表だった。市場は先んじて、4~6月期より7~9月期の収益のほうがはるかにましだろう、という見込みを踏まえて、株価が堅調に推移してはいたが、本当にそうした収益の回復見通しが実現するかどうかは、決算発表で確認することを、待たないといけなかった。アメリカでは決算発表が一巡し、日本でもかなり公表が進展したため、この不透明さが薄らいだ、と解釈できる。

2つ目は、アメリカの大統領選挙及び議会選挙だった。前回の当コラム「11月以降、日米の株価はジワジワ上昇しそうだ」では、「どちらが大統領になっても、市場が大きく揺らぐとは見込みにくく、政治的な不透明要因が一つ剥落する分だけ同国の株価は上値を追いやすくなると考えている」と述べたが、幸いその通りの展開になったと言えよう。

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