「武漢日記」が刻む「ちゃんと怒る」行為の重み 「しつこく覚えておく」ことがいちばん重要だ

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一方、中国のメディアでも独立系というのか、反政府とまではいかなくても、いろいろな声を拾ってくれるメディアもありますから、中国社会で生きるには、そういうところを選びながら発信していくことが必要だと思います。

「女性」であることを理由に叩く日本

武田:今、日本で関連書籍が数多く翻訳されているように、韓国では、フェミニズムの流れがあり、それらに通底するのは、既存の家族観・男女格差への疑い、そして反権力の姿勢です。同じように日本でも問い直す流れが起きている。方方さんは女性の書き手ですが、中国の言論の世界で、女性の立ち位置、声の届き方というのはこの5年、10年で変わってきているのでしょうか?

飯塚容(いいづか ゆとり)/1954年、北海道生まれ。中央大学文学部教授。訳書に、高行健『霊山』『ある男の聖書』『母』(いずれも集英社)、閻連科『父を想う』、余華『ほんとうの中国の話をしよう』『中国では書けない中国の話』『死者たちの七日間』(いずれも河出書房新社)、鉄凝『大浴女』(中央公論新社)、蘇童『河・岸』、畢飛宇『ブラインド・マッサージ』(いずれも白水社)など

飯塚:この5年、10年ではなく、もっとずっと前から作家に占める女性の割合、その活躍の度合いというのは、中国ではものすごく大きいですね。作家に限らず、いろいろな職業、役人も含めてですが、女性が重要ポストについている比率はかなり高いと思います。最高指導部にはなかなかいないですが、ある程度のところの管理職のトップが女性であることは少なくありません。

だから中国では男女平等が実現してるかというと決してそうではないですが、日本に比べたら、女性の占める比率は高いだろうと思います。日本でも作家は女性が優位で、芥川賞の候補が全員女性ということも最近ありました。その他の分野では、女性の活躍がまだまだ少ないですが。

武田:先日、『TIME』誌が発表した「世界で最も影響力のある100人」に、日本からは大坂なおみさんと伊藤詩織さんが選ばれました。それに対して、女性であること、若いということに起因する文句を言う人が少なからずいた。まったく情けないことです。韓国のフェミニズムの流れは、「女がものを言うな」という日本にも似た社会構造への反動として出てきたわけですが、中国では、女性であることに対するバッシング、女性がものを言うことに対する寛容さが昔からあったんでしょうか。

飯塚:今回について言えば、方方さんが女性だから攻撃されたということはまったくないと思います。

武田:まったくない?

飯塚:ええ、女のくせに生意気だというような発想はあまりないと思います。男の作家が同じように発信していれば、同じように叩かれたんじゃないでしょうか。

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