ペンシルベニア「郵便投票」こんなにも揉める訳 連邦最高裁が州判決を覆す可能性はあるのか

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同氏は「ペンシルベニア州最高裁は法の重要な条項を正面から変更する命令を下した。法はペンシルベニア州議会が立法したものであり、合衆国憲法は州議会に連邦政府の選挙の実施につき規則を定める権限を付与している」と述べたうえで、「選挙が不透明な状況下で行われる」ことを憂慮すると述べた。

「選挙前に州最高裁判所の判決の合憲性に関する判決を下すことが非常に望ましいだろう」とアリート判事はつづっている。「この問題は国にとって重要であり、州最高裁の判決が、アメリカ憲法に違反する可能性が高い」。

しかし、十分な時間がなかったとアリート判事は書いている。とはいえ、同判事はこの件に関して自らはどの立場に立っていたかは、ほぼ明確にしている。

同判事は「アメリカ憲法の規定では州裁判所ではなく州議会に権限が与えられ、連邦選挙を管理する規則を作る権限は無意味だろう」とし、「それは州の憲法の規定が、公正な選挙の実施に適切と思われる規則を作成する権限を裁判所に与えたと主張するだけで、州裁判所が州議会によって採択された規則を無効にすることができた場合だ」としている。

期日後の投票用紙は隔離されている

ペンシルベニア州当局は、選挙日の午後8時から3日後の午後5時までに届いた投票用紙を隔離するよう各郡の選挙当局に指示している。これにより実際問題として、連邦最高裁の判決によって、最終的にこれらの票が集計されるかが決定されることになるだろう。

ペンシルベニア州問題をめぐるアリト判事の声明は、ウィスコンシン州の投票訴訟における、カバノー判事による同様の意見を反復している。カバノー判事もまた、州裁判所ではなく州議会が州選挙手続きの制定の最終決定権を持つと主張している。

総合すると、10月の共和党による上訴では最高裁判事の意見が2分したこと、そして4人の裁判官の声明は、ペンシルベニア論争が選挙のカギを握る場合、新たに加わったバレット判事による投票が決定的なものとなることを示唆している。

(執筆:Adam Liptak記者)

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