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30歳ラッパー輪入道、高校やめて貫いた値千金 物書きとして自分の恥部もすべてさらけ出した

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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そうして出場した大会では、ラップを始めて4カ月なのにもかかわらず見事に優勝した。そして20万円の賞金をとった。当時20万円の賞金は、かなり破格だった。それを17歳の新人ラッパーがとったのだから当然ながら騒然となった。輪入道さんは、ラップの世界で時の人になった。

その選択の結果として、程なくして学校は退学になった。

「でも今あの時代に戻っても、同じ決断をしていますね。むしろ、もっと早く学校をやめていたと思います。当時も今も学校をやめることに対する後悔はありませんでした。

ただそこに至っても、『ラップで食べていく』という確固たる自信や信念があったわけではありませんでした。ほかにやりたいこともないし、人生で初めての成功体験なのに見通しはまったく立ってない状態でした」

現に当時、ラッパー1本で生活している人は周りにほとんどいなかった。

どうしてもラップで飯を食いたいというこだわりはなかったが、それ以外にやりたいこともなかった。アルバイトをしながら、ラップをする日々が続いた。

「輪入道」は妖怪の名前から付けた

ちなみに17歳の頃からすでに名乗っていた「輪入道」という名前はどのように決めたのだろうか?

「輪入道は妖怪の名前なんですけど、小さい頃から水木しげるさんが好きでいっぱい読んでたんですね。

ラップを始めたときに名前どうしようかな、ってなって本名をいじってみたりしたんですが、どうにもしっくり来なかったんです。そこで友達の家に行って妖怪の名前を一緒に調べて、輪入道になったんです。深い意味はないです。そもそもこんなに長く使う名前になるとは思ってなくて、(仮)くらいのつもりで決めた名前でした」

名前にはあまりこだわりはなかったが、ラップのスタイルには強いこだわりがあった。

輪入道さんは持ち時間を丸々「フリースタイル」のみでやるという攻めたスタイルにこだわっていた。通常、楽曲や作品を1枚もリリースしていないラッパーはミュージシャンとして認められない。

だが、輪入道さんは毎回即興でラップを歌い、そして戦った。

「当時はそんなやり方が、武者修行してる感があって気持ちよかったですね。普通ではできないことをやっている、と思ってました。

緊張感やプレッシャーはものすごくありましたが、そこを乗り越えてエンジンがかかってきたときの感覚は痛快でした。ほかの出演者が全員生バンドのライブハウスのイベントで、45分間フリースタイルでやりきったこともありました」

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