JR西日本を中心に特急電車として活躍しているのが681系で、「サンダーバード」や「しらさぎ」に用いられていて、北陸新幹線金沢延伸開業までは「はくたか」として越後湯沢駅にも姿を見せていた。この先行試作車が登場したのは1992年のことだった。
同じ頃に、北欧スウェーデンではX2000という高速列車がデビューし、首都ストックホルムと国内第2の都市ヨーテボリを3時間少々で走り始めた。高速列車といっても、高速列車用の新線はごくわずかで、ほとんどは在来線経由だった。
この列車は電車とは言え、実質的には電気機関車と客車で編成されたプッシュプル列車である。先頭車の形状は高速列車にふさわしい流線形で、当時の先頭部分の塗装は白地に運転台の窓回りとその下の部分がグレーだった。細部の違いはあるものの、681系の先頭部とよく似ていた。
その後、運転区間が拡大し、デンマークの首都コペンハーゲンや一時はノルウェーの首都オスロにも姿を見せていた。何回か塗装を変更し、今では別の車両のようにも思えるが、個人的には681系と似た風貌だったころが懐かしい。
本国のDD54は長生き
かつて国鉄時代にDD54形というディーゼル機関車が存在した。1966年から製造された機関車で、ドイツの高級なマイバッハ製を基にしたエンジンを搭載した異色の車両だった。しかし、例を見ない複雑なメカニズムの整備や保守が面倒だったこともあり、故障などトラブル続きで、1978年までには全機廃車され、悲運の機関車、欠陥機関車の烙印を押されてしまった。
ただし、DD51形やDE10形など凸型ディーゼル機関車が幅を利かせる中、ドイツ風の箱型車両は鉄道ファンには人気があった。山陰本線、福知山線や播但線など限られた路線でしか活躍しなかったので、馴染みのない人も多いであろう。幸い、1両が保存され京都鉄道博物館でその姿を今なお見ることができる。
DD54形のモデルとなったのはDB(ドイツ鉄道)ではポピュラーなディーゼル機関車だった216形(登場時はV160形)などであり、1960年代から21世紀になって数を減らしつつも長い期間にわたって大きなトラブルもなく活躍してきた。
国際列車を重連で牽引したり、長大な貨物列車を牽引する姿はドイツ各地で見ることができ、またメルクリンなどの鉄道模型として日本に輸入されて模型店の店頭を賑わせていたので、日本の鉄道ファンにもよく知られた機関車である。
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