田舎扱いされたくない、茨城のご当地鉄道事情 主役は常磐線だが、ローカル線も見逃せない

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常磐線特急「ひたち」。茨城県内完全走破の特急だ(筆者撮影)

都道府県別の魅力度ランキングで茨城県が8年ぶりに最下位を脱出したらしい。一気に4県を抜き去って飛躍の42位。喜ばしいはずが「最下位であることが1つのステイタス」になっていたとかで、うれしいような寂しいような感覚なのだという。中途半端にランキング下位にいるよりも最下位のほうが“引き”があるということか。代わって最下位に沈んだのがお隣の栃木県だったりするから、いろいろとややこしい感情が湧き上がっているのかもしれない。

全国屈指の自動車県

そこで今回のテーマは茨城県の鉄道事情である。魅力がないと田舎扱いされる茨城県、100世帯あたりの乗用車保有台数は159.6台で全国6位(2018年度、『データでみる県勢 2020年版』より)。この順位も中途半端といえば中途半端だが、同じ北関東の群馬・栃木とともに全国屈指の自動車県だ。そうした地域において、鉄道はどのような位置づけなのだろうか。

茨城県の鉄道を語るうえで、中心となるのは常磐線である。そもそも東京から茨城県に入るためにはだいたいの場合において常磐線に乗らねばならぬ。茨城突入の前には松戸や柏という“チバラキ”を経由、取手駅からが茨城県内だ。そこから土浦、石岡、県都・水戸、日立や高萩と通って福島県へと抜けていく。

常磐線は、かつて多くの優等列車が走っていた全国的に見ても重要度の高い路線で、歴史的な意義で言えば、茨城県北部から福島県にかけて広がっていた常磐炭田の石炭輸送を大きな役割としていたこともある。

常磐炭田の石炭は首都圏の発展に大いに貢献したから、常磐線はいわば首都圏発展の礎となった鉄路といってもいい。いずれにしてもそれくらいの重要路線である。

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