PCのレノボ、「スマホ大攻勢」の勝算は? モトローラ買収で販売エリアを一気に拡大
スマホやタブレットのグローバル展開に向けて武器になるのは、過去の買収戦略の積み重ねにより獲得してきた、製造や販売の拠点だ。レノボは、IBMのPC部門を買収した後も、NECのPC部門を傘下に入れた後も、従業員、拠点、ブランドをそのまま引き継いだ。買収により人件費が増えても、中国という圧倒的に強みを発揮する巨大な成長市場があるがゆえに吸収できたのだ。
モトローラ買収でも、約2500人のエンジニアをそのまま活かしていく方針。高級イメージがあるモトローラブランドを中国市場に再投入し、数量を伸ばす計画だ。やはり、中国あってのレノボなのである。
「中国専業」の試金石
巨大な中国市場で圧倒的なシェアを持つ企業は多い。5月7日、米国株式市場への株式公開を申請したアリババは、タオバオ、アリペイなど多くの子会社を持ち、上場時の時価総額は20兆円を超えるとみられている。
その前の4月17日にはマイクロブログのウェイボーがナスダック市場に上場した。米国市場に上場するとはいえ、アリババ、ウェイボーは、ほぼ「中国専業」。それ以外にも、検索ポータルのバイドゥやSNSのテンセントも、ほぼ中国専業だ。
モトローラを傘下に入れたレノボがPC以外の製品でもグローバル展開に成功できるか。その行方は、数ある中国専業企業の今後の戦略にも影響を与えるはずだ。
(週刊東洋経済2014年5月31日号〈5月26日発売〉「核心リポート01-1」)
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