PCのレノボ、「スマホ大攻勢」の勝算は?

モトローラ買収で販売エリアを一気に拡大

そこで、同社が社運を懸けて乗り出しているのが、新しい領域におけるシェア拡大だ。特に力を入れているのがサーバー、スマホ、タブレット端末、スマートテレビなど「PC+(プラス)」と呼ばれる領域。中でも消費者向けのスマホ、タブレットを重視している。11年に中国で始めたスマホ販売は現在、世界26カ国・地域で展開しており、世界シェアは4位だ。

ただし、IBMのPC部門を買収したことにより、レノボは企業向けビジネス中心の文化に染まっていた。そこで、スマホなどの消費者向け製品でも勝つためのリーダーとして楊CEOが選んだのが、アップル、HPのマーケティング責任者を務めたデイビッド・ローマン氏だ。

人気俳優を「採用」

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タブレットの開発に参加したアシュトン・カッチャー

秀逸だったのが13年10月、人気俳優でテクノロジーへの造詣が深いアシュトン・カッチャーをプロダクトエンジニアとして採用したこと。

これはもちろんマーケティング上の演出だが、カッチャーといえば映画『スティーブ・ジョブズ』で主役を演じた俳優であり、多くの人が彼をジョブズとダブらせて見つめている。そのカッチャーが入社し、同社のタブレット端末「Yoga」(ヨガ)の開発に参加したことは、レノボに先進イメージを植え付けた。

ほかにも、NBAのスーパースターであるコービー・ブライアントをスマホの宣伝に使うなど、スターの登用によるシンプルな広告が、レノボのイメージを変えつつある。

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中国、東南アジアでの広告塔はコービー・ブライアント

ローマン氏は次のように語る。「これまでレノボは企業向けで成功してきたが、消費者向けのブランド認知を高める必要がある。企業向けに加えて消費者向けの製品も成功させ、ビジネスのバランスを取ることが目標だ」。

なぜカッチャーを起用したのか。「若い消費者にアピールするようにグローバルなパーソナリティを持ったタレントを起用した。カッチャーは社員に対しても新しいマインドセット(価値観)をもたらしてくれた」。

レノボグループの強みは、複数ブランドを活用している点だという。「歴史のあるNECブランドを生かすことが、日本市場での成功につながった。モトローラの買収が完了すれば、これまでレノボが参入できなかった国へもリーチできる。大きなチャンスだと考えている」。

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