中学受験の準備はいつから? 塾はどう選んだ?--中学受験させた親アンケート【特集・本当に強い!塾・予備校】
午後1時。都内のある有名私立中学校で合格者の受験番号が掲示されると、詰めかけた大勢の親子連れがどよめいた。その視線は前のボードに集まり、次の瞬間、あちらこちらで歓声が上がる。
「あった! あったよ!」。1組の母子は抱き合って喜ぶと、その子どもはおもむろに携帯電話を取り出した。電話をかけた先は、会社で仕事中の父親でも、孫の吉報を待つ祖父母でもない。塾の先生だ--。
5人に1人が中学受験 その8割が塾通い
今年も首都圏では6万人以上の子どもが中学受験をした。小学校卒業生の数は約30万人。5人に1人が中学受験を経験する「中学受験ブーム」はここ数年続いている。中学受験を控える子どもにとって、今や塾は欠かせない存在。
2月中旬に、東洋経済とYahoo!リサーチが「今年子どもに中学受験をさせた親」を対象に共同で実施した調査によると、中学受験の対策として8割以上の子どもが塾に通っていたことがわかった。(2ページ目にアンケート集計結果)
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うち、最も多い約2割は小学校3年生の後半から塾に通い始めたという。一般的に首都圏でも関西でも、大手進学塾の中学受験コースは小学校3年生の2月から始まる。6年生の夏までに小学校の履修内容をすべて終わらせて、秋からは志望校別の特訓授業。受験準備にはおよそ3年がかかるというわけだ。
その費用も決して小さな額ではない。今回の調査で、中学受験対策にかかった費用総額を尋ねたところ、50万円未満と回答した人が26・6%と最も多かった。
が、その結果を詳しく見てみると、“御三家”などの難関中学や、私立大学の付属中学を志望校として準備を行っていた家庭では、200万~250万円未満という回答が最も多い。難関校志望者に限ってみれば、200万円以上の回答が過半数に上る一方、50万円未満と答えた人はわずか1・4%にすぎない。
中学受験ブームの一方、大学受験者は減少の一途
首都圏の中学受験率の推移を見ると、2003年ごろからの伸びが特に目立つ。それは小中学校で、俗に「ゆとり教育」と呼ばれる現在の学習指導要領(02年に改定)が始まった時期ともちょうど重なる。この傾向は関西圏でも同様だ。