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なぜ損を避けたい人ほど大損してしまうのか 受け入れがたい「損失確定」とどう向き合う?

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  • 大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表
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この理由は明らかです。その人たちの多くは2008年のリーマンショックのときに驚いて不安になり、それまで積み立てていた株式投信を全部売って定期預金に切り替えたのです。そしてその後、今日まで定期預金で保有しているのであれば、こういうことは起こりえます。

損を確定した後にほとんど利息のつかない定期預金にずっと置いているわけですから、損を取り戻せるはずがありません。幸か不幸か、企業型の確定拠出年金は加入していても無関心な人が多かったため、そういう行動を取った人は少なく、結果として9万人程度にとどまったのでしょう。

自分の感情のままに売買をしてはいけない

このように多くの人は自然な感情の赴くままに投資をすると「損失回避性」の心理から大きな損を招きがちです。ではどうすればいいのでしょう。これは投資するにあたって、自分なりに一定のルールを決めてそれに従う、すなわち自分の感情のままに売買をしないということに尽きます。

具体的にいえば、長期に積み立て投資を続けるというようなやり方です。さらに値動きにはあまり敏感に反応せず、放ったらかしておく、ということも大事でしょう。

私の知り合いの投資ブロガーの多くは、今回のコロナ禍による3月の大幅な下げのときも慌てず騒がず粛々と積み立てを続けていました。中には3月の下落で評価損が1000万円を超える人もいたようですが、それでも積み立て投資をやめることなく、たんたんと続けたことで、評価損は解消し、さらに利益が増えているといいます。

できる限り人間の感情を排除するやり方が必ずしもベストかどうかはわかりませんが、少なくとも「損失回避性」によって“損を嫌うことでもっと大きな損を呼び込んでしまう”ことは避けられそうです。

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