写真が語るトランプ政権「集団感染」発生した訳 マスク着用やソーシャルディスタンスなし
新型コロナウイルスの集団感染が広がるホワイトハウスの感染者は20人を突破したが、トランプ政権がウイルス封じ込めにほとんど何の対策もとってこなかったことを示す証拠が次々と浮上している。トランプ大統領は何カ月にもわたってウイルスの脅威を過小評価し、マスクの着用や他者と6フィート(1.8メートル強)の距離を保つといった基本的な感染予防策に背いてきた。
そしてホワイトハウスのスタッフは、最近行われた複数の行事で感染予防に関する専門家、地方政府、アメリカ疾病対策センター(CDC)の勧告を無視し、トランプ氏が検査で陽性となった後もガイドライン違反を続けた。トランプ氏とそのスタッフがいかに基本的なガイドラインを無視してきたか、その一部をここに紹介しよう。
信頼性の低い簡易検査にばかり頼り切る
【当局のガイドライン】食品医薬品局(FDA)はホワイトハウスが実施するウイルスの簡易検査を「発症から7日以内」の条件で承認した。この検査では無症状感染者が頻繁に見落とされる。
CDCは、簡易検査で陰性となった人でも症状があったり、感染者と接触していたりした場合には特に、検査機関による検査で陰性判定が正しいか確認する必要があるとしている。
【トランプ政権の行動】簡易検査は迅速かつ持ち運びに便利で、運用が簡単であることから、ホワイトハウスはパンデミックの初期から定期的にこれを用い、スタッフや来訪者を検査してきた。しかし簡易検査で陰性となった者については、マスクの着用や社会的距離の確保といった予防対策が省略されることがよくあった。簡易検査は感染の兆候のない人については精度が下がるため、これだけでは感染予防対策にならないと専門家は話している。
検査の陰性は、感染していないことを保証するものではない。感染から間もないと、体内のウイルス量が検査で検出可能なレベルに達していないことがあるからだ。感染したスティーブン・ミラー大統領上級顧問とケイリー・マケナニー報道官は検査で当初陰性となっていたが、その後、陽性が確認された。