写真が語るトランプ政権「集団感染」発生した訳 マスク着用やソーシャルディスタンスなし
ローズガーデンで行われたバレット氏の最高裁判事指名式典で200人以上をもてなした翌日、トランプ氏は戦没者遺族を称えるレセプションをホワイトハウスで催した。この屋内イベントには100人以上が参加。ここには後に検査で陽性が確認された沿岸警備隊のチャールズ・レイ副司令官も含まれており、アメリカ軍制服組の最高幹部らが軒並み自主隔離となった。
首都ワシントンでは50人を超える集会は禁止されているが、ホワイトハウスは連邦が管理する資産であることから、地方ルールの適用を免れている。
トランプ陣営は同じ週にバージニア州、ペンシルベニア州、ミネソタ州でも大規模な屋外集会を開催したが、いずれの州も感染防止ガイドラインで集会の規模を250人までに制限している。ペンシルベニア州当局は地方規則を無視したとしてトランプ陣営を非難、バージニア州で行われた集会にも厳しい目が向けられている。
「接触者追跡」は行わず
【当局のガイドライン】CDCは感染が判明したか、感染した可能性が高い人との濃厚接触者を追跡するよう勧告している。接触者追跡の担当者は濃厚接触者に連絡し、聞き取り調査と助言を行う。CDCは濃厚接触者も自ら検査を受けるべきだとしている。
【トランプ政権の行動】ローズガーデンで行われたバレット氏の最高裁判事指名式典の出席者から少なくとも12人の感染者が出ているにもかかわらず、ホワイトハウスは同式典参加者の接触者追跡を行わないという決定を下している。ホワイトハウスは代わりに、トランプ氏に陽性反応が出た10月1日までの2日間にトランプ氏と接触した人にだけ連絡を取るとした。
ホワイトハウスの報道官は、10月1日にトランプ氏がニュージャージー州ベッドミンスターで行った資金調達イベントの接触者追跡は「完了した」と語っている。参加者の1人は接触の可能性を通知するメールを3通受け取ったことを認めている。1通はトランプ陣営から、2通は州政府と地方政府の接触追跡担当からだったが、電話は1本もなかったという。
【当局のガイドライン】CDCによると、感染者と「濃厚接触」した人は、その感染者の発病2日前から起算して14日間の隔離を行うべきだとしている。ホワイトハウスは、感染者と接触した主要スタッフについてはCDCのガイドラインに従っているとしている。