中国「CO2排出実質ゼロ」宣言、実現すれば画期的

気温上昇を0.3度抑制、産業競争力も強化される

一方で、習主席は演説ではカーボンニュートラル実現の具体策にはまったく触れなかった。

現在、中国が発表しているコロナ禍からの復興策は経済を元に戻すことが主眼となっており、CO2実質ゼロの道筋と整合性がとれていない。また、再び増加傾向にある石炭火力発電所の建設動向もこの目標とは相いれない。それだけに、実現の可能性の見える具体策を今後示せるかどうかが焦点で、現在準備が進められている第14次五カ年計画(2021~2026年)の発表に世界は注目している。

削減率で突出するEUの削減目標

今回の発表に先立つ1週間前、中国は欧州連合(EU)とオンライン首脳会議を開催し、EUからパリ協定の行動強化を強く求められたと報道されている。EUはすでに2050年実質ゼロの目標を表明しており、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は国連総会に先立ち、パリ協定に基づくEUの2030年の削減目標(1990年比)を従来の40%から55%に引き上げると発表した。

55%という数字は、削減率としては主要経済圏で突出している。さらに欧州議会は10月7日、それを上回る60%削減を賛成多数で可決した。最終的にEU加盟国がどの目標に決定するか不明だが、少なくとも55%削減目標以上になる。

EUと中国を合わせると世界のCO2排出量の38%を占める 。2050年までに実質ゼロにすると表明している国々は現在、世界で30カ国を超えるが、ここにアメリカが加われば世界のCO2排出量の半分を超える国々が温暖化対策の強化を約束することになる。

パリ協定離脱を宣言したアメリカのトランプ政権だが、実際に離脱できるのは、大統領選挙翌日の11月4日である。大統領選挙の行方によっては、アメリカの動きはがらりと変わる。

民主党候補のバイデン氏は選挙公約の中で、大統領となった初日にパリ協定に戻ると明言。2050年に100%クリーンなエネルギー経済をアメリカで達成し、同年までに排出量を実質ゼロにすると明記している。バイデン氏は就任後100日以内に世界の主要排出国を集めた世界サミットを開催し、パリ協定の削減目標の強化を各国に呼び掛けるとしている。

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