NG食品を見極める、商品ラベルの「裏読み」術 食品添加物フリーのしょうゆは「天然醸造」

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調味料だって同じことです。

日本の伝統的な調味料は、「発酵」というすばらしい技術を用いてつくられたものです。発酵とは、細菌やカビなどの微生物によって食品を分解させ、私たちの体にいい成分に変化させることを言います。それだけでなく、独特の味や風味が加わり、食べ物をおいしくしてくれるのです。日本の発酵食品は、調味料のほかにも納豆や漬物など数多くあります。魚を麹などに漬けた「○○ずし」などもよく知られていますね。季節ごとに食べられる野菜や魚が限定されていた時代、食品を長持ちさせることができ、おいしくもなり、しかも健康にもいい「発酵」は、すばらしい保存技術だったのだと思います。

そうやってつくられたものが「本物」だとしたら、現在の調味料はあらゆる手立てを使って「本物に近づけた」ものが多いのではないかと思います。原材料も違う、製造方法も違い、製造にかかる時間や人手も違います。そして食品添加物という昔には存在しなかったものも使われています。

本物と本物っぽいもの。この2つには大きな違いがあります。味はもちろんですが、価格も違うのです。ニセモノ度が高ければ高いほど、価格が安くなっているのは事実です。

私は「絶対に本物を買いなさい」と言うつもりは毛頭ありません。「こんな調味料は買ってはいけない。こっちを買いなさい」などと言うつもりもありません。「本物」はけっして安くありませんし、簡単にどこでも手に入るものでもありません。お金と時間をどこにかけるかは人それぞれです。好みもありますよね。「私は安い準チョコレートが好きなのよ」という人もいていいし、私だって添加物の入ったポテトチップスを食べたくて仕方がないときもあります。

いいんです。何を食べてもいいんです。ただ、自分が食べているもの、飲んでいるものの正体を知ってください。何が使われていて、何が使われていないのか。どんな製造方法なのか。それを知っているのと知らないのとでは、これからの人生が違ってくると私は思うのです。

「本物」を買いたければ、裏を見て!

さて、ここからは私が知っておいてほしいと思うことを書かせていただきます。

いちばんのテーマは、商品を選ぶ前に「裏を見る」習慣をつけてほしいということです。裏側のラベルには、ちっちゃな文字であれこれ書かれています。

とくに注目してほしいのは「原材料名」です。一般的なスーパーには、同じジャンルの商品が何種類も並んでいますので、原材料名と価格を比較しながら見ていただくと、いろいろな気づきがあるのではないでしょうか。

次ページ一般的に、安いものは原材料が多い
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