住宅価格がバブルか否かに関して議論があったが、賃貸料はさして上昇していないにもかかわらずストック価格としての住宅の価格が顕著に上昇したこと、ネバダのような地域でも価格上昇が激しかったこと等を見れば、バブルであることは明白だった。04年に金利引き上げが始まると、「いま買わなければ、低い金利のモーゲッジは借りられなくなる」として、駆け込み需要が発生した。
ローンに支えられて消費が堅調に推移した
住宅価格の高騰は、証券化商品への投資の増加という金融面での変化を引き起こしただけでなく、実物面にも影響を与えた。
アメリカの消費は、80年代から堅調な伸びを示していた。伸び率は90年代末に低下したが、その後再び上昇した。01年から07年までの実質民間消費の平均伸び率は、5・4%である(図参照)。
・アメリカのGDP統計 ・日本のGDP統計
もともと消費支出は、極めて安定的なものだ。農業社会が工業化する過程で急成長する場合は別として、成熟した先進国では、それほど高い伸びを示すものではない。そうした観点から見れば、この期間のアメリカ消費の伸びは、かなり高かったということができる。