サッカー代表戦「綱渡りの9日間」の重大な価値 「コロナと共存」しながらの新たな形を模索

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サッカー日本代表合宿 森保監督と選手たち  カメルーン戦へ向け、森保監督(右手前)の話を聞く(左から)柴崎、久保建、堂安ら=アーネム近郊(写真:共同)

新型コロナウイルス感染拡大で、2019年12月のEAFF E-1選手権(釜山)から10カ月も活動がストップしていたサッカー日本代表。そんな彼らが10月9日のカメルーン戦(ユトレヒト)でようやく再スタートを切る。

長きにわたって足踏み状態を強いられた森保一監督は「オランダでの活動については、本当に難しく、多くのハードルがある中、実現したことを本当にありがたく思っている」と、1日のメンバー発表時にしみじみとコメントした。

9日間でも「綱渡りの遠征」

実際、欧州でのコロナ感染者数がここへきて急増。外務省の海外安全ホームページ上ではオランダ全土がレベル3(渡航中止勧告)となっている。欧州域内でもオランダ渡航者に自主隔離を求める国があり、ロシアのロストフに所属する橋本拳人、セルビアのパルチザンに所属する浅野拓磨などは招集を見送らざるをえなかった。

隣国・ドイツも警戒を強化。絶対的エース・大迫勇也の所属先であるドイツ1部のブレーメンが「ブレーメン保健当局がリスク地域への渡航者にたいして帰国後5日間の自宅隔離を義務付ける」と発表。彼はカメルーン戦を消化した後、10月13日のコートジボワール戦(ユトレヒト)を戦わずして離脱することになった。

今年3月に就任した反町康治・日本サッカー協会新技術委員長も「綱渡りの遠征になる」と話していたが、わずか9日間の活動でも慎重に進めていかなければならないのは確か。

キャプテン・吉田麻也(イタリア・サンプドリア)も「日本の団体競技でサッカー日本代表が初めてこういう活動をするということで、注目される機会になる。僕らが成功を収めて、少しずつスポーツが本来の姿を取り戻せるようにしていけたらいいので、僕らの責任は非常に大きい」と語気を強めていた。

今回の日本代表が何事もなく遠征を終えることができれば、他競技の海外遠征再開にもつながるし、1年延期された東京五輪開催にも着実に前進していく。そういう意味でもこの活動の意義は大きいのだ。

森保ジャパンのチーム強化を考えても、「10カ月の空白」を埋めるためにも、この9日間を最大限有効活用しなければならない。

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