サッカー代表戦「綱渡りの9日間」の重大な価値 「コロナと共存」しながらの新たな形を模索

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来年になれば吉田は33歳、今回不参加となった長友佑都(マルセイユ)や岡崎慎司(スペイン1部・ウエスカ)も35歳になる。大迫や酒井宏樹(マルセイユ)もすでに30代。

いつまでもベテランに依存している状況では、2018年ロシアワールドカップの二の舞になってしまう。「若返りを推し進める」と、2018年8月の就任会見で公言した指揮官にとっては芳しくない状況といっていい。

とはいえ、久保や堂安律(ドイツ1部・ビーレフェルト)ら20歳前後の若手にチームを託せるかというと、彼らにはそこまでの実績はまだない。20代後半の柴崎岳(スペイン2部・レガネス)や遠藤航(ドイツ1部・シュツットガルト)、南野らはある程度の代表キャリアがあるが、所属クラブで圧倒的な成果を挙げたわけではない。

これまで背番号10をつけていた中島翔哉(ポルトガル1部・ポルト)もクラブで長く試合に出ていないということで、今回は落選の憂き目に遭っている。こういった状況をひっくるめて、この先、どうしていくかの道筋をつけるのが、今回の2連戦で森保監督に託される最重要テーマなのである。

日本サッカー協会は11億円の赤字予想

代表強化とともに、協会が重視しているのが、収支改善の布石を打つことだろう。日本サッカー界は1993年Jリーグ発足以降の成功、1998年フランス大会から6大会連続ワールドカップ出場、2002年日韓ワールドカップ開催実績などにより、潤沢な資金力を持つ団体に成長した。

日韓大会の後、東京・文京区に「JFAハウス」という自社ビルを購入し、今年4月には千葉・幕張に「高円宮記念JFA夢フィールド」という代表強化拠点をオープン。ほかの競技団体からは羨望の眼差しで見られている。

そんな協会も今回のコロナ禍では、日本代表戦やU-23の東京五輪世代の国際親善試合のキャンセルなどで、大きなダメージを受けた。

先月には2020年度補正予算を発表。収入は当初見込みから49億円減の146億6000万円、支出も同46億2000万円減の157億6000万円に修正。赤字も同2億8000万円増の11億円を予想しているという。

協会の須原清貴専務理事は「代表関連の活動ができていないのがインパクトとして大きい。放送権、入場料収入が大きく、半分前後はそういったところからきている」と要因を説明した。

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