最強牝馬が惨敗「凱旋門賞」に学ぶ勝負の怖さ GⅠ14戦11勝の歴史的名牝を襲った不運

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日本中央競馬会(JRA)の海外競馬の国内発売5年目を迎えた今回の凱旋門賞の総売り上げは、27.4億円で昨年の41.5億円から約14億円減った。ただ一昨年の24.7億円は上回った。

ラブの回避に加えて、直前に武豊騎手のジャパンら4頭の出走取り消しなど、レースの焦点が次々と消える中で、これだけの売り上げがあったことは健闘と評価できる。

今年は3月のドバイ国際競走が中止。当時国内から遠征した馬は出走することなく帰国した。4月以降で海外競馬を国内で発売したのは2レースだけ。ディアドラが出走した7月のイギリスのエクリプスSと、ダノンプレミアムが4月にオーストラリアに遠征したクイーンエリザベスSだった。

凱旋門賞の国内発売は、ディアドラが出走したから可能となった。海外競馬で国内発売が可能なのは、現在7カ国の30レース。競馬法に基づき農林水産大臣が指定している。そのレースに日本馬が出走することが条件だ。

「日本調教馬出走」の前提は外すべき

新型コロナウイルスの世界的な感染で、日本調教馬の海外遠征はストップしている。2016年の凱旋門賞以降、海外競馬の国内発売は定着してきた。新型コロナウイルスとの戦いは先が見えず、このまま日本調教馬の海外遠征がなければ、海外競馬の国内発売ができなくなってしまう。

凱旋門賞などの世界の主要レースは、日本調教馬の出走がなくても発売できるようにすべきではないか。コロナ禍の今だからこそ検討する必要がある。

海外競馬を国内で発売することで、世界最高峰のレースをわれわれは次々と楽しむことができた。ファンは馬券を買って世界のトップクラスのレースに参加するという新しい魅力を経験してきた。

日本の競馬のレベルが上がって世界の競馬主要国の一つに組み込まれつつある中、海外競馬の国内発売がなくなってしまうということは、売り上げ面を含めても大きな損失だろう。日本調教馬出走という前提をなくしてでも、凱旋門賞は国内発売するべきだと筆者は考える。

一方、中央競馬は新たな局面を迎える。制限付きだがいよいよ競馬場にファンが戻ってくる。JRAは10月10日から東京、京都、新潟競馬場で、事前の指定席購入者に限定してファンの入場を再開する。

1日あたりの発売席数は、東京競馬場が1047席(通常の総数5245席)、京都競馬場が778席(同4252席)、新潟競馬場が621席(同1481席)と、通常より大幅に削減している。

中央競馬は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月29日から無観客開催を続けてきたが、2月23日以来230日ぶりにファンの前で競走馬が走ることになる。

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