ソフトバンクが打ち出した「2000円検査」の衝撃 「PCR検査を受けたくない」と言う人たちの事情

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9月24日、国立国際医療研究センター国府台病院内の「東京PCR検査センター」を見学するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(写真:共同通信)

9月24日、千葉県市川市の国際医療研究センター国府台病院内に、「東京PCR検査センター」が誕生した。新型コロナウイルスの唾液PCR検査を専門に行う画期的施設だ。度肝を抜かれたのは、その検査料金。1回2000円+税+配送や梱包料と破格だ。

これほどまでの廉価設定に、特殊なからくりはないらしい。ソフトバンクグループ社取締役会長である孫正義氏が、「社会貢献の一環として立ち上げたもので、検査で利益を出そうとは思っていない。低価格・高頻度の検査の輪を全国に広げていきたい」と実現させた、まさに虎の子案件である。

緊急事態宣言に先立つこと1カ月、同氏はすでに、「新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備」と3月11日にツイートしている。

以来、着々と準備を進め、7月にはソフトバンクグループ社が24億円超をつぎ込んで100%子会社「新型コロナウイルス検査センター株式会社」を設立。そして今回、国際医療研究センター指導の下に、専門施設が始動した。いつもながら有言実行ぶりに脱帽である。

PCR検査を受けるには3つのルートがある

現在、PCR検査を受けるには3つのルートがある。①医師経由で、医師会や医療機関によって設置された地域の「PCRセンター」の順番待ちをする、②「帰国者・接触者電話相談センター」を経由して受診し、いつまで待たされるか、いつ結果が出るかもわからない保健所等の行政検査を待つ、③自由診療で検査を受ける。

①と②は、検査費は保険適用+公費で賄われ、患者に費用負担はない。ただし新型コロナの症状があるか、濃厚接触者か、その他医師が必要と認めた場合に限られる。3月にはPCR検査への保険適用も大きく報道されたが、ハードルは依然高いのだ。それ以外の場合に検査を希望するなら、③の自由診療、つまり全額自己負担しかない。

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