税抜と税込「値札」をよく見ない人ほど買う真実 小売りの業界団体が税抜表示の容認を求める訳

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全国スーパーマーケット協会や日本チェーンドラックストア協会など28の事業者団体は8月末、消費税の本体価格表示の恒久化に関する要望書を国に提出。来年4月以降も引き続き税抜表示を容認してほしいと求めた。

「商品・サービスの価値をどのような方法で表示すべきかについては、本来一律に課すべきものではなく、事業者と事業者、事業者と消費者との関係において、事業者がみずから適切な方法を選択し実施すべき問題であり、混乱や支障のない現状からみても、価格表示の方法はそれぞれの業界の適性にあわせて事業者の選択に任せていただくことが肝要と考えています」

「厳しい消費環境の変化が予測される中で、何より、商品・サービスそのものの適正な価値を維持・確保して価格として表示することがデフレを回避し、消費税の適正な転嫁を図ることとなるため、来年4月以降においても、画一的な総額表示義務を廃止し、本体価格による表示が確保されるよう要望いたします」(要望書一部抜粋)

総額と税抜の間を採る策も?

税制を審議する自民党税制調査会には「折衷案でよいのではないか」という意見がある。折衷案とは、総額表示と税抜表示の中間策。冒頭の牛乳でいえば「168円(税込182円)」や「182円(税抜価格168円、税14円)といった表示方法だ。現在もこうした中間的な表示方法を採っている事業者は少なくない。

消費が減退すれば税収減にも直結する。「時限立法だから、期限がきたら元に戻す」という姿勢を崩さない財務省にとっても、税抜表示や本体価格表示の継続は決して悪い話ではないはずだ。

野中 大樹 東洋経済 記者

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のなか だいき / Daiki Nonaka

熊本県生まれ。週刊誌記者を経て2018年に東洋経済新報社入社。週刊東洋経済編集部。

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