そして半年後には結婚。佳代さんは期限ぎりぎりで目標を達成した。結婚生活は、当初と比べてどんどんよくなっているらしい。
「結婚してから知ることが多いからだと思います。ワガママで感情をすぐに表に出す私に対して、彼は優しくて忍耐強い人です。声を荒げたことは一度もありません。それだけに繊細なところもあって、仕事で何かあると眠れなくなってしまうこともあるようです。お互いに仕事の話はよくするので、彼がストレスをため込みすぎていると私が慰めたり発破をかけたり。2人とも結婚していい方向に変わったな、と思います」
アラフォーの結婚では「子どもを作るかどうか」を早急に決める必要がある。佳代さんと宏明さんも結婚直後に話し合った。佳代さんは不妊治療をしてまでは欲しくないという考え。宏明さんは「子どもは好きだけど、自分たち夫婦はいなくても構わない」。ならば2人で楽しく暮らしていこうと合意した。
一人っ子として育った佳代さんは結婚してようやく親孝行ができたと感じている。婚活をめぐって大げんかした父親は結婚式でうれし泣きをしていた。
「初めて見た父の涙です。自分たちがいなくなったときに私が1人きりになることを心配してくれていたのだと知りました」
母親の介護の可能性があることも受け入れてくれた
結婚後、佳代さんの母親は認知症を発症。「何かあったら私が面倒を見なくちゃいけない」と佳代さんは宏明さんに伝えた。
「親なんだから当たり前だよ、と主人は答えてくれました。うれしかったです……」
若い頃は「より大きな仕事を成し遂げたい」と猛進していた。今は働き方はペースダウンし、身近な人たちと自分の生活を大切にできるようになった。結婚生活がさらに安定してくれば、仕事に没頭する季節が再び訪れるかもしれない。ワークライフバランスは人生という長いスパンでとることもできる。
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