婚活で「上から目線」捨てた44歳女性が得た果実 「40歳で結婚」の目標を達成した人の境地

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そして半年後には結婚。佳代さんは期限ぎりぎりで目標を達成した。結婚生活は、当初と比べてどんどんよくなっているらしい。

「結婚してから知ることが多いからだと思います。ワガママで感情をすぐに表に出す私に対して、彼は優しくて忍耐強い人です。声を荒げたことは一度もありません。それだけに繊細なところもあって、仕事で何かあると眠れなくなってしまうこともあるようです。お互いに仕事の話はよくするので、彼がストレスをため込みすぎていると私が慰めたり発破をかけたり。2人とも結婚していい方向に変わったな、と思います」

アラフォーの結婚では「子どもを作るかどうか」を早急に決める必要がある。佳代さんと宏明さんも結婚直後に話し合った。佳代さんは不妊治療をしてまでは欲しくないという考え。宏明さんは「子どもは好きだけど、自分たち夫婦はいなくても構わない」。ならば2人で楽しく暮らしていこうと合意した。

一人っ子として育った佳代さんは結婚してようやく親孝行ができたと感じている。婚活をめぐって大げんかした父親は結婚式でうれし泣きをしていた。

「初めて見た父の涙です。自分たちがいなくなったときに私が1人きりになることを心配してくれていたのだと知りました」

母親の介護の可能性があることも受け入れてくれた

結婚後、佳代さんの母親は認知症を発症。「何かあったら私が面倒を見なくちゃいけない」と佳代さんは宏明さんに伝えた。

「親なんだから当たり前だよ、と主人は答えてくれました。うれしかったです……」

若い頃は「より大きな仕事を成し遂げたい」と猛進していた。今は働き方はペースダウンし、身近な人たちと自分の生活を大切にできるようになった。結婚生活がさらに安定してくれば、仕事に没頭する季節が再び訪れるかもしれない。ワークライフバランスは人生という長いスパンでとることもできる。

 

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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