その成果が出たのは40歳を迎えた春のことだ。やはり女子校時代の同級生がBBQを企画。独身男性が参加するので、佳代さんにも声がかかった。そのときに出会ったのが現在の夫である宏明さん(仮名、44歳)だ。佳代さんと同じくマスコミ業界で働いている、と幹事の同級生が紹介してくれた。
「パッと見では私のタイプではありませんでした。挨拶程度に話して、後は昼間からベロベロに酔っぱらったことしか覚えていません」
佳代さん、出会いの場でいったい何をやっているのか。しかし、リラックスしてお酒を楽しんでいる姿が宏明さんには好印象だったのかもしれない。後日、幹事から「松本さんが佳代ちゃんの連絡先を知りたがっている。教えて構わないだろうか」と打診があった。
「軽くOKしたらメッセージが来ました。もらった文面は丁寧で真面目。この人と付き合わなくても、その友達とつながる可能性がある!という軽い気持ちでご飯に行きました」
そのときの食事が予想外に楽しかった。同じ業界の同い年ということもあり、会話は弾んだ。宏明さんがよく行く店だという居酒屋の雰囲気もよく、2人で焼酎のボトルを1本空けた。
「でも、会計が割り勘だったのがガッカリ。それなのにガンガンに攻められて、帰り道の公園でブチュ!とされました。嫌ではなかったけれど遊び人なのかな、とは思いましたね」
佳代さんは紹介者の同級生に問い合わせてみた。素性や人となりを聞くことができる第三者がいるのはいいことだ。紹介者の回答は、「彼は確かに奥手ではない。でも、誰にでも手を出すタイプでもない」とのこと。宏明さんはどうやら本気らしい。
付き合い始めて2カ月後の大勝負
すぐに交際が始まったが、宏明さんには「結婚する」という概念が抜け落ちていた。現在の新婚生活を送っている分譲マンションで、佳代さんという恋人と同棲したいと考えていたようだ。ここは佳代さんにとって勝負どころである。
「付き合ってください、という言葉もなかった人なので、自分からは明言できないタイプなのだと思いました。そのままではダラダラと付き合ってしまいそうです。『私はあなたと結婚したいと思っている。一緒に住むなら親に会ってほしい』と伝えました」
付き合い始めて2カ月後の大勝負だ。早すぎず、遅すぎることもない絶妙のタイミングだったと筆者は思う。おそらく宏明さんの佳代さんへの恋愛感情が絶頂に達しつつある状態での一撃である。「わかった」と答えた宏明さん。プロポーズというよりも、佳代さんを手放したくない、という気持ちだったのだろう。
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