フィリピン看護師「自国で働きたくない」全事情 コロナで出国禁止措置も彼女らの望みとはズレ
保健省のデータによれば、フィリピンでは少なくとも56人の医療労働者が新型コロナのために死亡している。
フィリピンの私立病院で働くジョーダン・ユーゴさんは「この社会は我々の貢献を実は評価していないように思える」と語り、「それが辛い」と顔をしかめた。
彼は英国で働く契約を結んでいたが、政府の禁止措置により出国がかなわなかった。
食事は1日2回、兄弟姉妹を養えない
ユーゴさんは、時には1日2回しか食事できないこともあり、もう兄弟姉妹を養うこともできない、と話す。
フィリピン保健省は、国内の医療労働者は長時間勤務を強いられており、「彼らが疲労感を抱き、あまりの責任の大きさにウンザリしてしまうとしても無理はない」と述べている。一部の地域では「交代要員チーム」の手配をしたという。
同省は、各病院は十分な個人防護具を提供すべきであり、医療労働者はそれを着用しなければ勤務すべきではないと述べている。また医療労働者はCOVID-19の定期的な検査を優先的に受けるべきで、保健省は全員のために十分な病床を確保する、としている。
デュケ保健長官は以前、政府は看護師たちの「国家意識、国民としての自覚、犠牲的精神」に訴えている、と話していた。
諸外国は、フィリピン人看護師に対する高い評価を示すべく、出し惜しみをしていない。
サウジアラビアはフィリピン人看護師の職場復帰を支援するために航空便をチャーターし、ソーシャルディスタンスを確保できるよう、定員の一部までしか搭乗させない配慮を示した。
英国のダニエル・プルース駐フィリピン大使は、フィリピン国内のテレビ番組に出演し、英国におけるフィリピン人医療労働者の「驚くべき熱意と貢献」を称賛した。