「わが国のデジタル経済の規模は2019年にGDP(国内総生産)の3分の1を超えた」。9月17日、中国工業情報化省の報道官の謝少鋒氏は中国国務院での記者会見でそう明らかにした。
同じく会見した国家インターネット情報弁公室副主任の楊小偉氏によれば、中国のデジタル経済は急速に拡大しており、2019年の総額は35兆8000億元(約556兆円)とGDPの36.2%を占めた。さらに、同年のGDP成長率への寄与度は67.7%に達したという。
なかでも成長が著しいのがビッグデータ関連産業だ。国家インターネット情報弁公室が9月10日に発表した報告書によれば、2019年のビッグデータ関連産業の市場規模は8100億元(約12兆5858億円)を上回り、前年同期より32%拡大した。
また、一定規模以上のソフトウェア開発業および情報技術サービス業の2019年の総売上高は前年比21.4%、インターネット関連サービス業は同29.1%、コンピューター通信およびその他の電子設備製造業は同9.3%それぞれ増加した。さらに中国商務省の統計によれば、2019年の電子商取引(EC)の市場規模は34兆8100億元(約541兆円)に達した。
デジタル経済が消費意欲を活性化
中国のデジタル経済は2020年に入ってからも成長の勢いを維持している。国家発展改革委員会のイノベーションおよびハイテク技術発展局の責任者を務める沈竹林氏によれば、2020年1~8月の有形商材のネット小売販売額は前年同期比15.8%増加し、社会消費品小売総額(訳注:ネット販売を含む小売業、飲食業、宿泊業などが主に個人向けに販売した消費財・サービスの総額)の4分の1近くを占めた。
このことは、デジタル経済が潜在的な消費意欲を活性化し、経済成長の促進に重要な役割を果たしている表れだという。
産業界でのインターネット・プラットフォームの活用も着実に進んでいる。工業情報化省の謝氏によれば、一定の実績がある産業用のプラットフォームはすでに全国に70以上あり、そこに接続された(工作機械などの)工業設備は4000万台余りに達し、プラットフォームのサービスを利用する工業系企業は40万社を超える。
中央政府がデジタル経済の振興を鼓舞するなか、地方のデジタル化で先頭を走るのが南部の福建省や広東省だ。冒頭の会見に出席した福建省副省長の趙龍氏によれば、同省のデジタル経済の規模は2019年に1兆7300億元(約27兆円)に達し、省内総生産の40%を占めたという。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は9月17日
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