9月16日、菅義偉内閣が発足した。菅首相は行政の縦割りや既得権益、あしき前例主義を打破し、デジタル庁の創設など規制改革と行政改革を進めるべく動き出した。
閣僚の中で規制改革と行政改革を担当するのは、河野太郎行政改革担当相である。河野氏が同担当大臣となるのは2度目で、その意味では土地勘のある分野だろう。目下最大の行政改革は行政のデジタル化といって過言ではない。
デジタル化のカギを握るマイナンバーカード
行政のデジタル化は待ったなしである。とくに、マイナンバーカードを用いたデジタル化がカギとなる。
安倍内閣でもマイナンバーカードを軸とした行政のデジタル化の準備を進めてきた。その先駆を行くのが、「マイナンバー『25%還元』は大化けするか」で示したマイナポイントである。ただ、マイナンバーカードさえ普及率が低い状況で、行政のデジタル化の道筋はまだ見えていない。
中央省庁の行政事務が依然としてアナログだというわけではない。行政文書の原案はパソコンで起草され、決裁も印鑑を除いて電子化されている。しかし、行政部局内と外部をつなぐところで、いったんデジタル化したものを1つひとつアナログ、つまり紙に戻さないと手続きが進められないものが多い。
コロナ禍で象徴的な出来事は、PCR検査の結果の情報共有にファクスが使われていたこと、そして、1人一律10万円を支給する特別定額給付金の手続きだった。
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