結論から言うと、「超実践的に努力する」スキルこそが、効率的に物事を終わらせるための最大のポイントです。
「理解」の前に「まずはやってみる」姿勢
例えば僕らが何かを習得したいと思ったとき、まずはそのやり方や内容を「理解」しようとします。
水泳で言うなら、「こういう泳ぎ方があるのか!」「こんなふうに手と足を動かせば泳げるようになるんだな」と理解することから始めますよね。
でもそれで、泳げるようになるでしょうか? 多分ですが、これだけでは泳げるようにはなりません。まず水の中に飛び込んで、溺れそうになりながらも犬かきでいいから前に進んでいくほうが、泳ぎをマスターするスピードは速くなります。
こうして一度水に入っておけば、泳ぎ方のレッスンや身体の動かし方の説明を受けても「あ、あの時はこうすればよかったのか」と話がよくわかるようになります。「最終的にどういう状態になりたいか」というゴールがわかっているから、普段の練習の質も高くなるのです。
同じように、人前で話せるようになるためには、コミュニケーションの本を読む前に一度、人前で話をしたほうが上達しやすくなります。スポーツだって練習だけしているのではなく、実際に戦ってみることで得られる学びも多いはずです。
効率的で要領が良い人は、早い段階から「実践」を行って、その「実践」を活かして普段の練習のクオリティーを高くしているのです。
面倒くさがりな東大生は、受験勉強や学内の試験、そしてあらゆることにこれを応用しています。
例えば、東大に合格する学生の多くは、「過去問」を非常に早い段階から見ています。
東大輩出者の多い名門進学校や塾では、高校1年生から東大の問題を解かせています。もちろん解けない場合も多いですが、とりあえず触れてみて、3年後にどんな問題が解けるようになる必要があるのかを意識する勉強ができると、東大の合格がグッと近づくのです。
もちろんこれは東大に限った話ではなく、進学実績の高い学校や塾では「解かなくてもいいから、早めに第一志望の過去問を見ておくように!」と指導している場合が多いです。
大学に入ってからも、これは変わりません。東大の学内には「試験対策委員会」という非公認のシステムがあり、学内テストの過去問が保管されていて、東大生ならだれでもアクセスできるようになっています。他の大学にも同じような仕組みがあったりするようですが、東大は他の大学と比べても非常にシステマチックで緻密に、膨大なデータが管理されているのです。
面倒くさがりな東大生ほど、この学内試験の過去問を早めに入手し、その過去問を片手に授業を受けます。そうすることで「この先生が力を入れて説明したいポイントはどこか」「覚えておくべき重要ポイントはどこか」をしっかり意識できるようになります。だから他の学生よりも何倍も効率的に、最小の努力で単位を取得できるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら