中国の「新興EVメーカー」生き残りに必要な条件 小鵬汽車がアメリカで上場、競争は激化の一途

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テスラの後を追うNIOは、2017年に高級EV市場への参入を果たした。ドイツ・ニュルブルクリンクで世界最速記録を塗り替えた自社開発のEV「EP9」は、販売価格1600万円に上る高級スポーツカーだ。

2018年6月にアルミ製ボディの多目的スポーツ車(SUV)「ES8」(航続距離500km、販売価格700万円)を発売し、2019年末には「ES8」より2割安の「ES6」(航続距離610km)を発売。今年に販売予定の「EC6」(航続距離615km)は2.1㎡のガラスルーフを採用するスポーツクーペスタイルのボディで、テスラ「モデル3」の対抗車種となりそうだ。

理想汽車は消費者の移動ニーズに着目し、EVの走行距離を軸とするクルマ生産に取り組んでいる。2019年4月には大容量電池にレンジエクステンダー(E-REV)を組み合わせた高級SUV「理想智造ONE」を投入した。

小鵬汽車が2018年12月に発売した初の量産モデル「G3」(航続距離350km)は25個のスマートセンサーを搭載している。ルーフの上に360度撮影できるカメラを設置し、クルマ周辺の画像を車内モニターでウォッチできる。2020年4月に発売した2モデル目のEV「P7」はスポーツクーペスタイルのボディで、自動運転レベル3システム「X PILOT」を搭載している。また、音声認識機能や自動駐車・停車、高速道路での車線の自動選択などを実現し、スマートな乗り心地を20代・30代の若年層にアピールしている。

差別化の源は顧客体験

IT業界を経験した3社のオーナーは、自動運転・自動音声機能を備えた車種を投入しており、洗練されたショールームを活用しながら顧客の獲得を図ろうとしている。例えば、「NIOハウス」は1階が車の展示スペースになり、2階が商談のスペースになる。

中には、コワーキングスペース、カフェ、キッズスペースなどがあり、NIO車所有者のみが利用できる。高級感が溢れるラウンジを特別に利用できることは、所有者のステータスが反映される顧客体験だ。

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