中学受験で「勉強が怖くなった子」を救う方法 壊れた「自己肯定感」を復活させるための手順

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勉強が怖い、というようになった息子。いったいどうしたらいいのでしょうか?(写真:zon / PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

現在、私立中学に通う中1の息子がいます。中学受験では親子で格闘が絶えず、子どもは「勉強が怖い」とまで言うようになってしまったものの、なんとか希望の中学に行くことができました。しかし、中学に入ってからも、勉強が怖くて手が付けられない状態になってしまい、ゲームにばかり逃げている状態になってしまいました。
私が子どもを潰してしまったと思っています。このような状態からいい方向へ持っていくために勉強に対してどのように対応し、どのような言葉がけをしたらよいでしょうか。
(仮名:山下さん)

まずは子どもの「自己肯定感」を高める

「勉強が怖い状態」とは、子どもにとってはかなりつらい状況です。中学受験を通じて、お子さんがそうなってしまったと分析しておられますが、中学受験が原因というより、勉強に対してのアプローチを間違えた結果という感じがします。

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例えれば、食べたくない食べ物を無理に口に入れ続けてしまった結果、という印象です。そうなれば当然、嫌いになるどころか、恐怖感を覚えることでしょう。

「子どもがゲームに逃げている」とのことですが、今のような状態ではゲームに逃げないと心が壊れてしまいます。現在のような状態で、さらに勉強をやらせる方向に親が進めることはやめたほうがいいでしょう。悪化しかありません。

子どもの勉強となると、親が必死になる気持ちはよくわかります。その背景には、ほかの子どもたちに引けを取ると、うちの子は不幸になってしまうのではないかという比較による「不安感、恐怖感」があるのではないかと推察します。(自分が思う)平均に劣ることに対する恐れです。

これまで筆者は3500人以上の子どもたちを直接指導し、それぞれの人生ドラマを見てきました。子どもたちの後ろには親御さんがいます。親が子どもに対してどのような接し方をすると子どもが生き生きとし、逆にそうではなくなるか。勉強の出来不出来にかかわらず、前向きに取り組むようになっていくケースなども、つぶさに見てきました。

その結果、わかったことがあります。それは子どもの心の根底に「自己肯定感の高さ」があるということです。

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