「別財布」の共働き夫婦が金欠に陥りやすい訳 結構高収入なのに、なぜかお金が逃げていく

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総務省の調査によると、共働き世帯の平均年収は792万円。専業主婦世帯の平均年収は682万円で、110万円多い収入を得ています。対して平均貯蓄額はというと、共働きが平均1219万円なのに対し、専業主婦世帯では1439万円と、専業主婦世帯が共働き世帯を上回っています。収入は共働き世帯が多いのに、貯蓄は専業主婦世帯のほうが多いというわけです。

夫婦のみの世帯、子どもが1人の世帯、子どもが2人の世帯、いずれの世帯でも、平均貯蓄額は専業主婦家庭のほうが上回っています(年収、貯蓄額は2018年家計調査より)。

共働きができる今こそ、お金を貯めるべきだ

筆者も倹約家とはいえませんし、共働きで、ある程度、好きなことにはお金を使うタイプです。仕事と家事・育児の両立は大変だから、余裕があるのなら多少お金を使ってもいい、というのが本音です。しかし、限度はあります。

『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

「夫が貯めているはず」「妻は節約している」などと思うのは甘く、お互いにそう思っている可能性が大いにあります。共働きなのだからその気になればいつでも貯められるというのも、大きな間違いです。

貯める習慣をつくらないとお金は貯まりません。今の収入がずっと維持できるという保証はなく、収入が減る、さらにはどちらかの収入が失われる、という可能性もある時代です。

以上を踏まえると、「共働きできている今、貯めるべき」、なのです。

ストレスをためすぎずに、それでもきっちり貯める。具体的な方法については次回、お話しします。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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