競馬である。
日本のJRAは、世界的に競馬産業が衰退する中で、多くの人々、女性や若者をファンとして動員し、草の根から、馬券購入者、そして一口馬主という庶民的な資本家を産み出す事に成功し、世界で圧倒的な成功を収めた。
これほど資金が潤沢な競馬業界は現在では世界に存在せず、この豊かさがサンデーサイレンスなどの超一流馬が日本に集まることをもたらし、いまやスポーツとしてのレース競馬としても、生産としての競走馬産業としても、そしてエンターテインメント産業としての競馬においても、世界的にダントツの業界となっている。やはり、ボトムアップ、消費者主導の産業政策が現代においては望ましいのである。
さて、そのサンデーサイレンスの息子たちの中でも、決定的に日本の競馬を世界一にしたのがディープインパクトだ。今や、「ディープの血」を世界中の馬生産者が求め、アラブの王様もよだれをたらして日本のサラブレットオークションにやってくるようになった。
セントウルSは、クリノガウディーの復活に期待
しかし、珍しいことに週末の西の重賞であるセントウルステークス(G3、中京競馬場11R、距離1200メートル)は、古馬戦であるにもかかわらず、ディープの子が1頭も出ていない。しかも、それにすぐには気づかないくらい、日本の競走馬は全体のレベルが上がっている。
今後も、世界における絶対的な優位は揺るがない。後は、象徴的な意味を持つ、凱旋門賞を勝つだけだ。
「春の古馬短距離ナンバーワン決定戦」である高松宮記念(G1)で1位入線しながら4着へ降着となってから、まったくいいところのないクリノガウディー。相対的には、日本の伝統的な血統を引いていると言えそうなこの馬から。復活を期待して単勝。
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