村上ファンドvs.ゼネコン、水面下で蠢く攻防戦

中堅・準大手株を相次いで取得、狙いは何か

村上系ファンドに狙われた中堅ゼネコンの大豊建設(記者撮影)

「ついにきたか」。大手ゼネコンの幹部は、そう言葉に力を込めた。

通商産業省(現経済産業省)OBの村上世彰氏が率いた旧村上ファンド。「モノ言う株主」として知られたこのファンドの流れを汲む投資会社や機関投資家が目下、ゼネコンへ攻勢をかけている。

村上系ファンドのシティインデックスイレブンスやオフィスサポートなどは9月9日、中堅ゼネコンである大豊建設の保有株式に関する変更報告書を提出した。報告書によると、村上系ファンドの9月2日における保有割合は11.82%になる。

村上系ファンドは5月7日までに大豊建設株を取得し、5.12%を保有。以降も複数回にわたって取得と処分を繰り返していた。保有目的は「経営陣へ助言、重要提案行為等を行う」としている。

潤沢なキャッシュに着目

旧村上ファンドの流れをくむ投資会社は他のゼネコンにも触手を伸ばしている。4月3日には旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドのストラテジックキャピタルが、関西に地盤を置く淺沼組の株式を買い増し、10.1%を保有。4月17日にはシティインデックスイレブンスなどが準大手ゼネコンである西松建設の株式を取得し、5.09%を保有した。

村上系ファンドがゼネコン業界の株式保有を増やしてきたのは、今回が初めてのケースになるようだ。冒頭のゼネコン幹部は「厳しい応酬になることを覚悟している」と警戒感をあらわにする。

村上系ファンドは各社の潤沢なキャッシュや保有資産に目をつけたとみられる。ゼネコン業界はここ数年、東京五輪関係施設や道路・橋梁の補強工事需要などを受け、活況を呈していた。野村證券の前川健太郎シニアアナリストは、「大きな投資が必要な産業ではないこともあり、(業界全般に)業績拡大につれてキャッシュがたまっている状況だった」と語る。

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