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トヨタが今、「旧車用パーツ」に力を入れる理由 3Dプリンターも活用されるGRヘリテージパーツ

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新車当時に大量生産していた部品を同じ製法で復刻させるのでは、あまりにコストがかかる。また、樹脂パーツなどは、そもそも素材自体がなくなっていることもある。それを工夫し、今の製法を採り入れて形にしていく。復刻作業は、3Dプリンターなども使って行われているという。

実は筆者自身、1985年式の「スプリンタートレノ」、いわゆる“ハチロク”を所有している。

「スプリンタートレノ」の姉妹車「カローラレビン」(写真:トヨタ自動車)

基本構造がカローラだけに、部品は今でも潤沢といえるが、それでもさすがに最近は欠品が増えてきた。姉妹車「カローラレビン」のヘッドライトは今、新品が出てこない状況だし、車名ロゴのステッカーなどもない。

スープラ、2000GTに続くGRヘリテージパーツとして、ハチロク用を待つ声はほうぼうから聞こえてくる。

「そうですね。でもステッカーなどはやってもあと回しです。私たちは、一般の業者さんではできないことを優先的にやっていこうと考えています」(纐纈氏)

なるほど、たしかにそうあるべきだろう。自分も愛好者として望みたいことはあるが、それを脇に置いて考えれば、この事業は性急になることなくじわじわと、本当に愛する人のために育ててほしいと思う。

旧車が残れば新車販売やブランド向上につながる

世界を見渡せば、こうしたヘリテージカーのパーツ供給、サポートに関してもっとも手厚いのがポルシェである。フェラーリ、ランボルギーニなども近年、この領域に一層力を注いでいる。

パーツが売れればビジネスとして成立し、それは古いモデルが維持され、その価値が残ることにつながり、結果としてヘリテージカーの文化が熟していく。そして、それが新車の販売、ブランド力向上にもつながっていくという循環を、彼らはよくわかっている。

GRヘリテージパーツという事業によって、あのトヨタ自動車がこうした領域に足を踏み出したことは、とても意義深い。5年後、10年後、20年後に日本の自動車文化がどんなふうに熟しているのか………楽しみに見守りたい。

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