「STI」トップが語るスバルとは全く違う役回り 平川良夫社長への独占インタビュー・前編
SUBARUのいちばん先端を担う
――STI30周年のお祝いに、こうして大勢のファンが集まりました。
いままさに、STIの新しいスタートの年。これまで日本市場のみだったSTIを、北米でSシリーズを展開するなど、新たなる(ビジネス)領域に踏み込む。(さまざまな面で)スタートの年です。
――あらためて、STIとは何でしょうか? ホームページには「私たちが追求するのは人の感覚と調和する『世界一、気持ちいい』クルマづくり。」とうたっています。
ひとことで言えば、SUBARU (本体)ではできないスピードあるチャレンジのチーム。SUBARUグループは(ほかの自動車メーカーと比較すると事業規模が)あまり大きくないので、新規マーケットの開拓、また顧客とのコミュニケーションを増やすためには、特定の分野にフォーカスする必要がある。そうした面で、SUBARUとしていちばんの先端を担っているチームです。
――そうした中で、STIの歴史を振り返ると、2008年のWRC撤退以降、ラリーからレースへの転向などもあり、ブランドとして変化していった印象があります。
もともと、WRCに参戦した正直な理由は、SUBARUを買ったお客様に誇りを持ってもらいたかったからです。当時は、(SUBARUのイメージロゴである)六連星を量産車に使わなくなっていました。そして、WRC撤退から約10年間が経ち、STIとお客様との(気持ちがつながる意味での)高速道路の役目が衰えてきた。それを整備し直そうとしています。
そのため、今回のような、お客様がご自身のSTIに対する想いを直接、われわれ技術者に直接ぶつけていただき、双方向で会話ができる場を設けたのです。今回は、単なるイベントという位置付けではありません。
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