「STI」トップが語るスバルとは全く違う役回り

平川良夫社長への独占インタビュー・前編

――では、事業面についてお聞きします。STIは現在、モータースポーツ、コンプリートカー、パフォーマンスパーツ、ウェア&グッズという4分野があります。現状での事業売り上げベース、または注力する度合でどのような割合と表現すればよいでしょうか?

(広報資料など対外的なリリースは出していないが)ざっくりと、売り上げベースで全体の約4割がコンプリートカーです。コンプリートカーとは、SUBARUの量産ラインで製造するSTIスポーツと、SUBARU関連企業の桐生工業が製造する車両の双方を意味します。(両工場で)STI専用の製造ラインはありません。

パフォーマンスパーツ売り上げは過去最高

――その辺をもう少し詳しく教えてください。

まず、SUBARUとSTIで(商品企画・製造における)ポートフォリオを共有します。そのうえで、量産ラインと桐生工業への製造委託を考えます。もともとは、弊社の(群馬県)矢島工場内のSTI専用の場所でSシリーズを最終組付けしていました。2014年以降、モデルでいうとS207以降のSシリーズは桐生工業への委託です。

今年6月開催のドイツ・ニュルブルクリンク24時間レースに挑む、STIチームの面々(筆者撮影)

こうした体制を敷く理由は、STIをエンジニアリング分野に徹底させたいからです。モノづくりの上流である商品企画や設計開発に投資の原資を集中させることで、SUBARU本体ではできないとがったことに集中して取り組むためです。

――パフォーマンスパーツについてはどうでしょうか? 1990年代のようなアフターマーケットの爆発的な成長が見込めない現状で、今後の事業方針として市場をどう見ていますか?

 実は昨年度、日本市場ではSTIのパフォーマンスパーツ売り上げが過去最高となりました。売れ筋は、(形状変化の自由度が高い)フレキシブルなストラットタワーバーなど、車体の基本設計を理解していないと作れない部品です。エンジン部品も売れ筋があります。

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SUBARUと同じ高いレベルでの品質保証をしていることも売れている理由だと思います。例えば、フロントアンダースポイラーはある程度の速度で雪の壁に衝突しても壊れないとか、歩行者保護用エアバックのセンサーがしっかりと機能するなど、メーカー保証の量産品としてクオリティを担保しています。パフォーマンスパーツも商品企画、開発設計、さらに実験をSTIで行います。製造は、量産車でも協力体制にある、デンソーや東海理化など日系大手部品メーカー各社にお願いしています。

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後日配信する後編では本題である日本版「S209」や新型「22B」について聞いていく。

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