「窓開け」NG、ジャカルタ通勤電車のコロナ対策

地下鉄は本数減でも郊外からの電車は平常運行

8月下旬のKCIコミューターライン日中の車内。乗客は全員マスクを着用し、シートには1人おきに座るよう注意書きがあるほか、床にも立ち位置を示すステッカーが貼られている(筆者撮影)

3月上旬に”日本人を感染源とする”新型コロナウイルス陽性患者が2人確認されたという公式発表以来、感染拡大の止まらないインドネシア。イスラム教の断食月明けレバラン大祭における帰省を黙認したことで、6月以降ジャワ東部への感染が一気に広まり、さらに規制緩和を受けて都心部での感染も拡大、今も1日に全国で2000人~3000人の新規感染者を出し続けている。

しかし、より致死率の高いデング熱や結核などの感染症が多く存在するインドネシアにおいて、突如現れた新型コロナのためになぜ生活を犠牲にしなければならないのかというのが、大半の国民感覚である。よって中央政府も当初から「経済は止めない」と掲げており、ロックダウンなどの強い活動制限は実施しない方針を貫いた。

一方、観光業や運輸業が受けた打撃は計り知れない。特に鉄道は国内の移動制限のみならず、日本と同様に在宅ワークの浸透で通勤需要が減少している。昨年ようやく開業したMRTジャカルタ(地下鉄)、そしてKCIコミューターライン(インドネシア通勤鉄道)がコロナ禍においてどのような対策を施してきたか、そして今後どのような影響が出る可能性があるのか展望したい。

国と州政府で異なる対応

新型コロナウイルス対策において、中央政府は指揮は取るが具体的施策は地方に任せるというのがインドネシアの基本的スタンスだ。しかし、時として中央と地方の方針は対立した。どことなく日本の構図にも似ているが、国と地方の関係性が鉄道にもそのまま反映されている。MRTはジャカルタ州政府、KCIは中央政府(国)の傘下にあり、コロナ対応には両者で違いがあらわれた。

新型コロナの感染者数は、国内初の事例が確認されてからわずか2週間で急増し、3月15日にジョコウィ大統領は声明を発表、地方政府に対して国軍・国家警察と協力しながら感染拡大に適切な処置を講じるよう要請した。

これを受けて、当時感染の中心地となっていたジャカルタ州政府のアニス知事は、不要不急の外出を控えること、ソーシャルディスタンシング(日本でいうところの「三密」の回避)の実施を市民に求めた。

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