マジックの仕掛けから考えるスマホ断ちの方法 つい無意識にSNSを開いてしまうのはなぜか
毎朝スマホのアラームで目覚め、SNSやネットニュースをチェック。夜は枕元に置いたスマホの通知が気になって眠れない。ついつい寝転がりしながら特に見たいわけでもないTwitter、Instagram、YouTube……と次から次へとアプリに注意が移り、気づいたら深夜に。朝目覚めても熟睡感がなかったり、寝起きが悪かったり。もし思い当たる点があれば、あなたの人生はスマホに乗っ取られています。
私の職業は精神科医とマジシャンです。医学とマジック、まったく異なる職業に思えますが、実は1つの共通点があります。それは「ミスディレクション」を扱う職業ということ。
ミスディレクションとは「注意力の操作」。マジックで使われるテクニックで、例えばマジシャンが「見て!象だ!」と言って指を差すと、観客は指先の方向に注意をそらされます。その隙にマジシャンはトリックを隠し、観客を騙すのです。
実はこの注意をそらすミスディレクションは、マジックだけでなく私たちの日常生活でも常に起こっています。そのひとつが、気づいたらずっといじってしまうスマートフォン。
精神科医の私から言わせると、スマホは強力なミスディレクション発生装置。前述したように、長々とスマホをいじっていてやめられない人はすでに人生をミスディレクションに邪魔されています。しかもミスディレクションされていることに、あなたはまだ、気づいていません!
仕事をしたいのに、テレビを見てしまう
在宅勤務中、仕事をしようと思っているのに、気がついたら好きなテレビ番組を見ていたり、スマホをいじっていたりした経験はありませんか。 また、気になる人からの連絡を待って既読にならないLINEを何度も開き、相手のFacebookやInstagramを夜通しチェック、答えが出ないことに何時間もダラダラと時間を浪費していませんか。
スマホの通知が目に入った瞬間、無意識のマジシャンがあなたのそばにやってきてミスディレクションを仕掛け、気づかぬうちにあなたの注意を間違った方向に誘導していきます。
だったら気づいて注意を戻せばいいじゃないか、と思う人もいるでしょう。しかし、 人間はミスディレクションされる生き物。意志の力は1割もなくて、私たちは外界からの刺激、「トリガー」に支配されているのです。
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