"出遅れ野球リーグ"が見据える11年越しの悲願

関西独立リーグは「普通の独立リーグ」になるか

さわかみ関西独立リーグには今、“悲願”がある。一般社団法人日本独立リーグ野球機構(IPBL)への加盟だ。

冒頭で触れたように、四国、BC、関西独立リーグは“3兄弟”として生まれた。一時期は3団体で連絡協議会を設立する話もあったが、その後、関西が迷走。その間に四国とBCはIPBLを設立。JABAや日本野球機構(NPB)とも話し合いを持つようになった。

昨年11月には、NPBのオーナー会議が独立リーグなどと連携を検討しているという報道があった。地域の野球普及や振興を図るため、全国各地にある独立リーグやクラブチームと連携する案が示されたのだ。

新型コロナ禍のためにこの話は中断しているが、独立リーグの未来を考えれば、NPBとの連携は必須。関西としてもその機運が出たタイミングで、何としても加入したいところだ。

代表の仲木は「2月にIPBLの会議に出席し、加入の意向がある旨を伝えています。加入できなかったのにはいろんな理由がありましたが、とにかく真っ当な運営をすることに尽きます。まだ至らない部分はありますが、解決すべき点は共有しています。まずは準加盟を目指します」と語る。

IPBLの馬郡健会長(写真:IPBL提供)

これを受けて、IPBL会長の馬郡健は次のように語る。

「独立リーグの仲間が増えることは非常に頼もしく、うれしいことです。全国に独立リーグの球団が網羅されれば、多くの野球選手が自分の街を舞台に野球普及や地域社会への貢献をしながら、NPBなどのプロ野球選手を目指すことができるようになります。  

一方で、独立リーグや独立リーグ球団の運営は、模索しながら少しずつ前に進んでいる状況です。新しく加盟を目指すリーグや球団の皆様には、すでにある知見を共有しながら、より質の高い運営を目指していただきたく思っています。そのための運営・経営のベースづくり、環境づくりが非常に重要だと考えています。

さわかみ関西独立リーグのみならず、新しく加盟を目指すリーグには運営体制や運営ルール、また契約ルールなど条件を確認させていただくこと、また機構の理念などに共感いただき、新しい独立リーグの形を一緒につくっていくことを確認させていただきたいと考えています」

リーグ戦は8月に再開

7月16日、06BULLSの選手1人の新型コロナウイルス陽性が判明した。選手は自宅待機、チームも試合を自粛した。態勢を整え、8月に入ってリーグ戦を再開した。

端的にいえば、初期の関西独立リーグは「プロ野球ごっこ」をしていたのだ。選手をそろえ、試合をすれば、客がやってくる。メディアも注目し、グッズも売れる。プロ野球のビジネスモデルがそのまま通用するという思い違いがあったのだ。

阪神タイガースという日本屈指の人気チームがあり、オリックス・バファローズもある関西圏において、はるかに小さい規模で選手の実力も劣るリーグが、同様の商売ができるはずもない。

今の4球団は何度も経営陣が交代しながら、各球団なりの地域密着のビジネスモデルを構築しつつある。「野球では食えないが、野球をやめては存在意義がない」というジレンマを抱えつつ、何とか独り立ちしようとしている。さわかみ関西独立リーグは、波濤を越えて前進しようとしている。(一部敬称略)

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