やる気が出ない一日を変える「心理学的な手法」

勉強して差をつけたい人に伝えたい

この強固な「現状維持バイアス」を何とかするには、この心理が働く大本となる「この問題集で成果を出そう」という気持ちを減らすことが大事。成果を出そうと思わなければ「成果が出なかったら損だな」という気持ちも起きないからです。

問題集を開くときに 「パラパラと眺めるだけでOK」というような低い目標設定にするのは1つの手です。パラパラと眺めるだけならやっても「損した」という気にはなりませんね。

問題集をパラパラと眺める、あるいは最初の3行だけを読むと決める。それができて、その先に進めたとしたら、その日は自分の「現状維持バイアス」に勝てたといえます。勉強を続けるには、こうして日々「白星」を積み重ねていくことが大事。その延長に、試験の合格、資格の取得といった「優勝」があるのです。

参考書は残り3問を残して終わらせる

勉強をする際は「60分集中したら10分休憩する」というように集中時間と休憩時間を決めて、それを正確に守るといいです。

このとき、集中タイム中には時間を気にしなくて済むよう、キッチンタイマーを用意して時間をセット、スタートボタンを押したら一心不乱に問題に取り組むというのが理想です。

そして「ピピピ」とタイマーが鳴ったら、たとえ問題の途中であってもすぐに手を止めます。単純な計算問題ならその問題1つはやり切ってしまってもいいですが、応用問題など複雑な問題の場合は途中でもそのままにして休憩に入ります。

このとき「ページの最後までやってしまおう」「キリのいいところまでやってから休憩にしよう」などという気持ちは厳禁。「キリのよさ」より時間厳守を優先します。それくらい集中と休憩の時間は正確なほうがいいのです。

「それだとめちゃめちゃ中途半端になりませんか?」

休憩の取り方をアドバイスした教え子からこう言われることがありますが、実はこの中途半端がいいのです。なぜならそのほうが、休憩後の「続きをやろう」という気持ちが高まるから。

人には、完了したものよりも未完了のもののほうがその内容をよく覚えているという傾向があります。これは心理学で「ザイガルニック効果(またはツァイガルニック効果)」と呼ばれるもの。

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