2005年以降のデータだけを切り出して数字を見てしまうと、「どんどん若者がセックス離れしてきている」と解釈しがちですが、もっと俯瞰でみれば、違う景色が見えてきます。
むしろ着目すべきは、25歳以上の男性の童貞率の推移のほうです。1987年から2015年まで童貞率はほぼ20~30%の割合で一定で不変です。これは、つまり、25歳まで童貞だった男性は、その後もそのまま童貞であり続ける可能性が高いということです。
一方、女性を見ると、1987年、バブル真っ最中での20~24歳女性の64%以上が処女だったのに対して、2005年には処女率36%とほぼ半減に近い状態になった変化が際立っています。
ドラマのヒットや携帯電話の普及が影響
80年代後半から2005年までの間に、いったい何があったのでしょう。1980年代中ごろ、バブルの好景気という日本全体を覆い尽くした熱病を反映したように、平成の恋愛至上主義と呼ばれる時代が到来しました。クリスマスにはシティホテルに宿泊し、男性は高価なプレゼントを贈るものというデートフォーマットが完成されました(Xmasデートする未婚者は2割以下という現実参照)。
90年代に入ると、フジテレビ系列の月9シリーズにて、「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」「ロングバケーション」等恋愛系ドラマが次々と大ヒットとなり、月曜の夜は街からOLが消えたとまで言われました。
もう1つ若者の恋愛に必須なツールがこの頃一般化しました。携帯電話です。特に親元に住む学生など若い男女にとって、親の目を気にすることなく、相手と長電話できる携帯電話は若者の行動を大きく活発化させました。
同時に、当時は元祖SNSともいわれるケータイサイト「前略プロフィール(通称「前略プロフ」)」が流行し、出会い系や援助交際のツールとしても使われるなど、2000年~2005年当時は、逆に「若者の性の乱れ」が問題視されていたことも事実です。つまり、2005年は基準ではなく、異常値だったと考えるべきなのです。
さて、そんな中で前述の通り、男女とも25歳以降は童貞率・処女率ともにあまり変化は見られなかった点をふまえると、恋愛経験値とは、24歳までにいかに恋愛を経験したかどうかが問われてくるのではないでしょうか。
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