安倍体調不安で「二階と菅」の不気味な急接近 「ポスト安倍」めぐり、重ねる会談と広がる憶測
体調不安説が広がり、安倍晋三首相の求心力が急速に弱まる中、二階俊博自民党幹事長と菅義偉官房長官の急接近が永田町の注目を集めている。
自民党総裁である安倍首相に代わり、二階氏が自民党の最高実力者となる一方、内閣では菅氏が指揮官となりつつある。両氏が連携を密にすることで、政界では「政権は今や、二階・菅の『2頭立て態勢』になった」(自民長老)との見方も広がる。
再度の検査で乱れ飛ぶ憶測
安倍首相はお盆明けの8月17日に、かかりつけの慶応大病院で7時間半もの検査に臨んだ。1週間後の24日にも4時間近い追加検査を受けたことで、政界では「近日中に退陣表明」「臨時代理に任せて入院」などの憶測が乱れ飛んだ。
24日の追加検査後、首相官邸に入る際に安倍首相は「今日は先週の検査の結果を詳しくうかがい、追加的な検査を行った。体調管理に万全を期して、これからまた仕事に頑張りたい」と淡々とした表情で語った。
その一方で、同日に首相としての連続在職記録を更新したことについては「7年8カ月、国民にお約束したことをいかに実行するか、日々全身全霊で取り組んできた。その積み重ねで現在がある」と笑みを浮かべながらはっきりとした声で語った。
安倍首相はその後、コロナ対策の会議などをこなし、午後7時前には帰宅した。周辺によると、月内にも本格的な首相記者会見を開き、コロナ対策と自らの健康状態について説明する方向だ。
これを受けて、政界が騒然となった安倍首相の「病気による早期退陣」説は、いったんは沈静化の方向となっている。ただ、25日に予定された自民党役員会は中止され、在職記録更新に伴い二階氏が企画していた27日の「お祝いの会」も見送りとなった。安倍首相の体調悪化に対する政府与党内の懸念はなお拭いきれない。
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