タイ「反政府デモ」若者たちが求めていること ヨーロッパ暮らしの国王に対する批判も

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アノン氏は、憲法に縛られることなく人々の上に立つ王室ではなく、「タイ社会に寄り添う王室を見るという最大の夢」に触れつつ、当局が「私たちに夢を見るのをやめるよう言ってきた」とデモ参加者に向けて語った。

「私はここに宣言する。私たちは夢を見続ける」

4人目の妻は「将軍」に

デモは、2019年の戴冠式の際に撮影された国王の大きな写真の下で行われた。国王はこの戴冠式で重さ16ポンド(約7.2キログラム)の金の王冠と巨万の富を正式に受け取り、世界で最も裕福な王族の1人となった。

整然と並んだ抗議者の列の上には、国王の4人目の王妃となったスティダー・ワチラロンコン・ナ・アユタヤ王妃が軍服姿で写った特大写真もあった。スティダー王妃はタイ国際航空の元客室乗務員。その後、国王の護衛部隊の責任者となり、将軍という軍事的な地位を与えられている。

16日には王室擁護派によるカウンターデモも行われたが、参加者は少なかった。

抗議行動が始まる前から、タイの治安部隊は声を上げそうな者に嫌がらせを始めていた。アノン氏は7日に扇動の容疑で逮捕されている(編集部注:同氏は19日にも再び逮捕された)。アノン氏ともう1人の活動家はさらに、不敬罪の告発にも直面している。

16日早朝、昨年の選挙前に政党を解散させられた野党政治家のポンサック・プシサクル氏は、飼い犬の鳴き声で6人の私服警官が自宅に押しかけたことに気づいた。私服警官は集会を前に、同氏を脅しに来たのだという。

「私はこういうのに慣れている」とポンサック氏は言った。「だが、若者や彼らの親や家族の今後を考えると心配でならない」。

(執筆:Hannah Beech記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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