タイ「反政府デモ」若者たちが求めていること

ヨーロッパ暮らしの国王に対する批判も

8月16日、タイ・バンコクで開かれた抗議デモで、抗議のしるしに手を上げる参加者たち(写真:Adam Dean/The New York Times)

タイの民主主義を祝う記念碑の前に群衆が集まり、戴冠式の礼服に身を包んだ国王の巨大な肖像の下で抗議のしるしに手を上げる――。

バンコクで8月16日に開かれた抗議デモには少なくとも1万人が加わった。政治集会に参加するのは初めてという人が多かった。投票箱よりも戦車によって動かされる、この国の政治に変革を迫ったのだ。

およそ8時間に及んだ抗議行動は2014年のクーデター以来最大のもので、街の中心部の大通りが黒い服を着た人々で埋め尽くされた。タイでは過去90年間に軍事クーデターが何度も繰り返されており、2014年の政変もそうしたものの1つだった。

厳密には違法なデモだが、警察は傍観

今回のデモは厳密にいえば違法だ。新型コロナウイルスを理由に非常事態宣言が発出されているためで、人々はデモに参加しただけで逮捕される可能性があった。ところが、警察はただ黙って見ているだけだった。メルセデス・ベンツのショールームの後ろで何もせずに怠けている警官もいた。

7月に学生運動が発端となって広がったタイの抗議運動は、その後、どんどんと支持を広げてきている。

タイはパンデミックの猛威を免れたとはいえ、経済は大打撃を受け、何百万人という人々が失業している。2014年の軍事クーデターを指揮した元陸軍司令官プラユット・チャンオチャ氏が今も首相として国を率いていることから、タイでは政治改革を求める声が強まっている。

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