最大FCが決別宣言 ほっかほっか亭「内紛」
プレナスが新ブランドの立ち上げを決意したことで、総本部との亀裂はさらに深まった。
(週刊東洋経済2月23日号より)
持ち帰り弁当店「ほっかほっか亭」を関東、九州で展開するプレナスは12日、フランチャイザーであるほっかほっか亭総本部との決別を宣言した。独自ブランド「Hotto Motto(ほっともっと)」を立ち上げ、5月15日付で店名や看板に採用するという。
プレナスと総本部はこれまで、商標権や営業手法をめぐって激しく対立。総本部はプレナスに対し、静岡など合わせて6県で本部契約の更新を拒絶する旨を通達していた。逆に今回は、プレナスから全エリアの契約解約を突きつけた格好だ。
親子逆転のいびつな関係
骨肉の争いの背景には両社のいびつな関係がある。通常フランチャイザー(ザー)とフランチャイジー(ジー)の関係は、ザーがジーの運営主導権を握るというのが一般的。だが、プレナスはザーである総本部の株式44%を保有する大株主。全国約3500店のほっかほっか亭のうち2260店を運営し、実質的な力はプレナスのほうが大きい。
一方、関西でほっかほっか亭を展開するハークスレイが一昨年に総本部株式54%を取得したことで、争いは「プレナス対ハークスレイ」に移った。プレナスの塩井辰男社長は決別の理由として「ハークスレイが総本部の親会社になってから、経営の自由が奪われるようになった」と主張。これに対して総本部は「プレナスは2003年に塩井社長が就任してから全国本部長会議に欠席するなど、協調態勢が取れなくなった」と語る。
プレナスは30年近く、独自の営業努力で力をつけてきたと自負する。総本部の「店舗デザインや食材の提供価格について総本部の指示に従うこと」などの要請は「余計なお節介」に映るのだろう。
今後、新ブランドで自由に経営できるとなれば晴れて独り立ちとなる。ところが、現実には難問が山積みだ。
総本部は契約解除の場合、「フランチャイズ加盟店は営業を1年間停止する義務がある」として、同12日付で東京地裁に仮処分を申し立てた。プレナスが営業を継続できたとしても、直営店を除く約1200の加盟店のうちどの程度が新ブランドについてくるのかは不透明。両社間で加盟店争奪戦が繰り広げられる可能性もある。事態は長期戦の様相を呈してきた。
(週刊東洋経済:藤尾明彦 撮影:鈴木紳平)
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