国民民主・玉木代表はなぜ分党にこだわるのか 突然の新党不参加表明はカネと組織が狙いか

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一方、立憲民主は11日の常任幹事会で、新党の名称は参加議員の無記名投票で決め、代表選も同時に実施して新代表を決めるとの方針を確認した。13日の両院議員懇談会でも異論が出ず、枝野氏は9月上旬にも合流新党を立ち上げる意向を表明した。

今回の合流新党は安倍政権打倒を目指す枝野氏が呼び掛けたものだった。新党名の投票決着などを主張する玉木氏との間で交渉は難航したが、枝野氏が譲歩したことで合流協議は一気に進むとみられていた。それだけに、土壇場での玉木氏の分党方針には「初めから合流しないつもりだったのでは」(立憲民主幹部)との反発も広がった。

党役員会では合流反対が多数だった

大詰めでの迷走に、旧民進系勢力の最大の支持団体である連合は、12日に産業別労働組合も含めた幹部会合を都内で緊急開催し、合流新党を支援する方針を確認した。神津里季生会長は「1つの『大きな固まり』を追求することに我々は価値観をずっと持っている」と国民民主の分党に強い不快感を示し、同党の連合組織内議員がそろって合流新党に参加するよう促した。

神津氏はこの後、枝野、玉木両代表と相次いで会談。玉木氏に対して「わかりやすく伝えてほしい」と注文をつける一方、枝野氏とは新党と連合の連携強化を確認した。玉木氏は会談後、「われわれも連合の政策をしっかり推進する政党として頑張りたい」と語ったが、合流新党への参加をめぐる疑心暗鬼が広がっている。

12日夜、民放BS番組に緊急出演した玉木氏は、11日の党執行役員会での協議内容に言及し、「相当もめた。今の条件で合流することには反対のほうが多かった。6対3だった」ことを明らかにした。

役員会正式メンバーは、玉木代表、大塚耕平、古川元久両代表代行、平野博文幹事長、泉健太政調会長、原口一博国対委員長ら計9人。関係者によると、賛成した3人は綱領案など合流条件をまとめた平野、泉両氏と、国会対策で立憲と協力してきた原口氏で、玉木氏ら6人は反対したとされる。

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