立憲と国民が「ワンチーム」になれない理由 「合流の原点」で折り合えず、広がる悲観論

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会談に臨む立憲民主党の枝野幸男代表(右)と国民民主党の玉木雄一郎代表(2020年1月10日、写真:時事)

結局というか案の定というか、立憲民主党と国民民主党の合流協議が頓挫した。

巨大与党に対峙できる「ワンチームの1強野党」(立憲民主若手)を目指して、年をまたいで交渉を続けた両党だったが、通常国会召集直後の1月21日に出した結論は「当面、合流は見送り」という「事実上の決裂」(立憲民主幹部)だった。

旧民主党の体質から抜け切れず

2019年末以来、立憲民主の枝野幸男代表と国民民主の玉木雄一郎代表は公式、非公式の党首会談を重ねてきた。両代表は「通常国会の対応を優先する」と口をそろえたが、交渉不調は「結局、バラバラと言われた党内対立で空中分解した旧民主党の体質から抜け切れなかった」(旧民進党元幹部)のが原因とみられている。

両党は当面、合流協議を棚上げし、2019年の秋に結成した統一会派を基盤に、ほころびの目立つ安倍晋三政権を攻撃することで、改めて合流への環境を整備したい考えとされる。ただ、「双方が出したぎりぎりの条件が変わらない限り、時間をかけても合意は困難」(立憲民主幹部)との悲観論も広がっている。

合流見送りが決まったのは21日の立憲民主の福山哲郎、国民民主の平野博文両幹事長の会談だった。平野氏は、国民民主が20日の両院議員総会で決めた「両党の合流協議継続」を踏まえて立憲民主の協力を求めたが、福山氏は「ここまで詰めてきたものが受け入れてもらえなかったのは非常に残念だ」と協議打ち切りを示唆した。

その結果、双方が「現時点では合意できる見通しが立たない」との認識で一致し、国会対応を優先して協議をいったん棚上げにすることを確認した。

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