少年院で働く児童精神科医がパズルを作った訳 勉強嫌いな子の目が輝く!超簡単な「基礎トレ」
例えば、授業中に先生がこんな問題を口頭で出したとします。
「Aさんは10個のあめを持っていました。4個をあげるとAさんはあめを何個持っているでしょうか?」
答えるためには、そもそも先生の話に「注意」を向けられることが大切です。
次に、問題をしっかり聞きとって「知覚」し、個数を忘れないように「記憶」します。また、先生の話した問題の「言語理解」も必要です。さらに、暗算などで答えを導いていくには、さらに「注意(集中)」が必要です。
最後に大切なのが、この問題では次の2通りの解釈ができることです。
「Aさんは誰かから4個のあめをもらったのか?」
いったい先生はどちらを意図したのか「推論・判断」する必要があります。
出された問題を解くためには認知機能のすべての力が必要なのです。「注意」「記憶」「言語理解」「知覚」「推論・判断」のなかの1つにでも弱さがあれば、問題を解くことはできません。
学習につまずきを抱える子どもは、認知機能の働きのどこかに、または複数に弱さをもっている可能性があるのです。そのような弱さを見つけトレーニングしていくことが重要なのです。
コグトレでは、「数える」「覚える」「写す」「見つける」「想像する」という5つの分野を対象にしたトレーニングを行います。
どれも遊び感覚でできるものばかりです。テストができなくて傷つく子どもはいますが、コグトレができなくて傷ついたという話はあまり聞いたことがありません。紙と鉛筆があれば、今日から始められます。
4カ月のトレーニングで苦手克服
下の絵は、コグトレ前後の変化を示すものです。学校の勉強についていくのがしんどいと訴えていた中学生が、見本の立体図を見ながら写した絵です。4カ月コグトレをしたところ、図の立体感が増し、ずいぶんと正確に写せるようになりました。
その子は、小学生の頃から黒板を写すこと、漢字を覚えること・書くことに苦手意識をもっていましたが、コグトレ後は、立体図の模写ばかりでなく、漢字の読み書きも上達しました。正確に形を覚える力・見る力が増したようです。
実際にコグトレの問題(今回は子ども用に再編)をいくつかご紹介しましょう。
まずは「数える」問題からです。以下の問題は、5人のオバケ(コバケというキャラ)を5人ずつ、◯でかこんでいく「まとめる」問題です。数のまとまりを感覚的に身に付けていきます。
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