コロナを優に超える死者を出した感染症の歴史

ペストは14世紀に2億人もが犠牲になっている

人類の歴史は、感染症に脅かされ続けてきた歴史であると言っても過言ではありません。13世紀のハンセン病、14世紀のペスト、16世紀の梅毒、17世紀のインフルエンザ、18世紀の天然痘、19世紀のコレラと結核というぐあいに、枚挙にいとまがありません。

中でも14世紀に流行したペストは、当時のヨーロッパの全人口の約3割にも及ぶ人々を死に至らしめました。ヨーロッパという世界はこのペストによって停滞したわけです。この病気にかかると、内出血によって皮膚が黒くなることから黒死病とも呼ばれ、大変恐れられました。

20世紀に入ると、ヨーロッパを中心にインフルエンザなどの大流行が起こり、その後も世界各地でエボラ出血熱、エイズ、腸管出血性大腸菌感染症など「新興感染症」が発生し、人の移動とともに世界中に広がっています。

さらに、21世紀になるとSARS(重症急性呼吸器症候群)や新型コロナウイルスによる肺炎といった新興感染症が大流行し、現在も世界中の人々を脅かしているのです。

ウイルスを病原体とする感染症が増えてきた

新興感染症ではウイルスを病原体とする感染症が増えてきました。また、結核やマラリアなど、過去に人類に脅威を与えてきた感染症も再び流行の兆しをみせています。

2020年3月11日、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染拡大について「パンデミックとみなせる」と表明しました。パンデミックというのは、感染症(伝染病)の世界的な大流行を表す言葉です。その記者会見でテドロス事務局長は次のように述べました。

「過去2週間で、中国以外の感染者数は13倍、感染者が見つかった国も3倍に増えて、4291人が命を落とした。数字は今後数週間でさらに増えるとみられる。この理由で新型コロナをパンデミックにあると判断した」

その後、WHOの懸念は現実のものとなりました。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターの集計によれば、2020年8月12日の時点で、新型コロナウイルスによる世界の感染者数は2000万人に迫り、死者数は70万人を超えています。日本の死者数は同時点で約1050人を超え、他国よりは少数ですが、世界のいずれの国においても、まだまだ予断を許さない深刻な状況が続いていると言えるでしょう。

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