2カ月で4000語を暗記!英単語の超「覚え方」 人気ユーチューバーが教える効果的コツ

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単純に、1つひとつの単語に対して多くの時間を費やして、1回で覚えようとする行為が、記憶の構造から考えて非効率な暗記法だからです。繰り返しになりますが、重要なのは「暗記を試みた回数」なのです。これは科学的にも証明されています。

人間の脳はそもそも復習しないと忘れる

ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、人の記憶がどのようなペースで忘れられていくのかについて研究し、その結果以下のような曲線を導いています。

ここから読み取れることは「記憶は1日経過しただけで半分以上忘れてしまう」ということです。

驚きの結果ですよね。この研究では、意味をもたないアルファベットの羅列を被験者に記憶させているので、英単語の暗記においてはもう少し緩やかな曲線になるかもしれません。それでも、記憶の多くが短い時間に失われるという意味では、非常に有意義な結果だといえるでしょう。

この結果を基に、復習と記憶に関する研究も行われています。その結果は以下のグラフに表れています。

このグラフを見ると、「暗記を試みた回数」が増えるにつれて忘れるスピードがドンドン遅くなり、最後には忘れなくなることがわかります。これはよく「長期記憶」と呼ばれ、簡単に忘れてしまうような記憶(短期記憶)が、しばらく暗記作業を行わなくても忘れない記憶に変換されたことを意味します。このように、単語を暗記する際は1つひとつに時間をかけて1回で覚えようとするのではなく、何度も何度も単語帳を回転して、単語に出合う回数をとにかく増やすことが重要なのです。

今まで記憶力が悪いと思っていた人も、何度も何度も繰り返すことを意識するだけで、頭に単語帳の内容がしっかりと頭にインプットされるようになります。

また、何周もすることは、単語帳の全体像をつかむことにも役立ちます。どれくらいの量の英単語が収録されており、自分の知らない英単語は現在どれくらいあるのかを理解し、暗記作業というプロセス全体において自分が今どこにいるのかをイメージしながら学習を進めることは、学習の計画や内容を柔軟に変更するうえでも重要です。

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