実は、ビジネス面では、現在の外交問題が長期的な障害になるとは、あまり思っていない。決して楽観視するわけではないが、うまくやってきた企業は、外交問題に関してはことさら騒がない。うがった見方かもしれないが、つきあい方が悪く、失敗している企業やマスコミだけが、騒いでいるだけではないか?
「神との約束」と「紙との約束」の違い
実は、私は会社で社員に対して、「ロシア人とのビジネスは『信用しても信頼するな』」と言う一方、「中国人とのビジネスは『信頼しても信用するな』と言っている。その心は何か。つまり、一見荒くれに見えるロシアも、当然のことながら西洋的な文化を背景に持っている。西洋では「契約とは、神との約束」であり、いったん紙に書いたら、基本的には守られるのだ。一方、中国では「契約とは、紙との約束」であることも少なくないのだ。要するに、信じることができ頼れる人も多いのだが、紙はすぐに破られやすいということを、社員に教えているのだ。
私にとっては、これまでの日中関係は、一言で言えば「腐れ縁の喧嘩友達」のようなものだ。喧嘩しては仲直りして、気がついたらお互いに儲かって、お互いを支え合っている。
次回はさらに突っ込んで、中国との取引や交渉についての上手な喧嘩の仕方の処方箋をお伝えしたい。
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