女子に人気、寝台特急「サンライズ」の魅力とは 鉄道ファンとマニアのボーダーラインはどこだ

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初めてサンライズに乗ったのは、2008年秋で、出雲市まで乗車している。そのサンライズ下りでは、B寝台1人用個室シングルの海側2階を取った。シャワーカードは乗車してすぐ車掌さんから買い、岡山で瀬戸と出雲の切り離しを見る、というマニュアルどおりの行動をした。

サンライズのシャワーカード(筆者撮影)

初めて入るラーメン屋さんでは、まずノーマルのラーメンを頼むように、初めての寝台特急に乗る際は、まずマニュアル通りの行動をするのが常だ。当時は、岡山駅を過ぎた辺りで、ラウンジで駅弁の車内販売をしていた。私はそれもマニュアルどおり、ちゃんと早起きして、「特上祭ずし」を買っている。

サンライズは女性向きとは聞いていたが、これまで乗ってきた寝台列車とはだいぶ趣が違っていた。しかしきれいだし、個室の使い勝手もよいし、大変気に入った。そして帰りは贅沢に、部屋に机と椅子、洗面台やTVが付いている、A寝台シングルデラックスの個室で帰った。

ちなみにTVはNHKが映るのみで、当時朝ドラの「だんだん」を放映していた。しかしトンネルのためか、双子の主役のどちらがどちらか見分けがつかないくらい映りが悪かった。現在TVは撤去されている。

2009年は、境港線の鬼太郎列車に乗るために米子駅まで、2012年は瀬戸内国際芸術祭で現代アーティストの友人達の作品を見るために、東京—高松間を往復した。

その後、大阪のイベントに出演した帰りなどに、0時34分発のサンライズで帰るようになった。サンライズは下りの大阪駅では停車しないが、上りは停まる。0時半という時間も、打ち上げに出てから帰ることができるのでちょうどよい時間であった。

そういう時は、シャワーを浴びて、あとはひたすら寝るだけなので、たいていはノビノビ座席の指定を取った。ノビノビ座席は寝台料金がいらないので、通常の新幹線料金とさほど変わらない金額である。

寝袋を持参したことも

固い床に寝るのが辛かったので、寝袋を持参したこともあった。冬ならダウンコートを敷けばだいぶ楽になる。大阪からは3回ほど利用した。何度も乗っているうちに、学ぶことがいろいろとあった。

2015年夏には初めて友人と乗車した。

「おんな鉄道ひとり旅」第1巻に登場する友人A子と、北陸を旅してそのまま出雲大社へお参りに行き、帰りにサンライズに乗車したのだ。他客がいると1人で居づらいラウンジも、2人だとゆったり使えた。いつも1人で乗っていたが、友人と乗るのもいいものだ。

その秋はライターで工作家の乙幡啓子さんとの旅で、九州〜四国と巡った帰りに高松から。その様子は女子鉄ナイト2で報告した。さらに2015年の大晦日はシングルツインに再び友人A子と乗車。彼女とは毎年、初日の出列車などに乗車し、一緒に初日の出を見に行っている。2015年だけで3回も乗車しているが、今回は初めての琴平行きだ。

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